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ここを編集 2006年4月放送開始。 監督 阿部雅司 原作 藤沢とおる シリーズ構成 山田光洋 キャラクターデザイン 渡辺浩二 総作画監督 渡辺浩二、滝川和男 プロップデザイン 小川浩 美術監督 高橋麻穂 色彩設計 大西峰代 撮影監督 中島秀剛 3D CGI 吉岡智和 編集 櫻井崇 音響監督 高桑一 音響効果 山谷尚人 録音調整 山口貴之 録音助手 川口珠代 音楽 NO MILK サブタイトル題字 阿部雅司 アニメーション制作 グループ・タック、AICスピリッツ 脚本 山田光洋 絵コンテ 阿部雅司 山田徹 藤森かずま 西山明樹彦 小林孝志 後信治 はしもとなおと 林宏樹 粟井重紀 永田正美 石平信司 演出 はしもとなおと 山田徹 北山修二 西山明樹彦 後信治 秋田谷典昭 平井義通 西村大樹 鈴木孝聡 粟井重紀 丸山由太 作画監督 渡辺浩二 澤田貴秋 青木真理子 中島美子 谷口繁則 西山忍 しまだひであき 柳昇希 山崎正和 ■関連タイトル DVD TOKKO 特公 TOKKO特公 オリジナルサウンドトラック 原作コミック TOKKO 上 特公 Devil's Awaken 特公 零 TOKKO ZERO 1 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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TOKIE(ときえ) 1965年7月1日生まれ、東京都出身。元RIZE 現unkieのベース 他にもAJICO,LOSALIOSのベースを務め、 さらに多くのミュージシャンのLIVEやレコーディングに参加している 機材 エレキベース Fender Jazz Bass( 64) Top Dog JBV-ARD-LB Top Dog JBC-APD-TP-5 Sadowsky TYO Lakland 44-60 その他 Carruther s Guitars SUB-1(アップライトベース) Ovation OP30(アコースティックベース) MEINDL 86(ウッドベース) アンプ DAVID EDEN WT-600 Road Runner(上段キャビ:D410XLT 下段キャビ:D115XLT) QUANTUM QT600(上段キャビ:QS410PRO 下段キャビ:QS115PRO) 美しい -- 名無しさん (2010-08-01 16 21 04) おばさんになっても綺麗 -- 名無しさん (2013-03-27 04 16 17) AJICOでアップライト使用時のアンプなど機材分かる人いたら教えてください! -- 名無しさん (2014-03-07 14 13 54) 名前 コメント
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トウカイ インデックス【TOKAI INDEX】 概要 wikiを利用した私設WEBサイトのひとつ。管理人および主な執筆者は、円周率3パーセント。 いわゆる東海三県下のあらゆる単語を蓄積し、その解説を行う。将来的にはWEB以外の書籍などのメディアとのリンクも図るため、目下その方策を練っている。 2007年7月末開設だが、基本的な内容はその前身「ローカルワード東海」(→「ローカルワード中部」「中部大辞典」「東海大辞典」「不明解東海大辞典」)から変わっておらず、2004年頃の知見のまま止まってしまっている記事も少なからず存在する可能性はある。
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アイテム番号:SCP-■■■ オブジェクトクラス:Euclid 特別収容プロトコル [編集済み] 概要:SCP-■■■は[削除済み]のように見える器です。器(SCP-■■■-1)は『聖杯戦争』という現象によって 作成された聖遺物とされています。 SCP-■■■-1を構成するのは一般的な[削除済み]であり、特筆すべき点はありません。 記事中にある『聖杯戦争』についての概要は付録SCP-■■■:東京虚無聖杯戦争を参照して下さい。 ◆ 安藤は明かりも点けず、リビングでテレビを眺めていた。 相変わらず例の殺人鬼のニュース・特集、あることないこと人々が語りあう。 近隣住人や地元の人間のインタビュー。 どれもこれも参考にはならない。 殺人鬼は禍々しい刺青のある男。 彼を捉えた防犯カメラの映像が流れながら、アナウンサーがベラベラと語っていた。 それを視聴したところで何か変わる訳でもない。 対策も救済も、逃れる術も得られないのに。……それでも見ずにはいられなかった。 聖杯戦争? サーヴァント? 今でも夢ではないかと安藤は思う。 だが、確かに自分の傍にいるのだ。 安藤のサーヴァント・アサシンが、ハッキリと。 そして、彼から聞かされた通りならば、アサシンは――テレビで報道されている殺人鬼は――― 「もし……」 安藤は漸く重い口を開いた。 実際、自分の声なのに久方ぶりに聞いたような気がするほど沈黙を守っていた。 何とか安藤は口を動かす。 強引に喋るなんて産まれて初めてかもしれない。 「……アサシンが俺の知っている……俺が想像している事をしたのなら、本当に赦されないと思う」 その結果がこれだ。 あの刺青の男は、全ての人間を恨むように殺戮を繰り返している。 こうしている間にも一人、二人。また殺されているのだろう。 切っ掛けは―――安藤が知る通りだ。安藤のサーヴァントは大罪を背負っている。 アサシンは機械的な声色で言う。 『マスターは巻き込みません。それでも私は彼に謝罪をしたいのです』 「……謝って、それでどうにかなるのか?」 我ながら厳しい指摘をしたと安藤は感じた。しかし、もう遅い。 だが、事実だ。 アサシンの謝罪で完結する物語ならば、こうも酷い惨劇などありはしないはず。 一体どれほどの所業を与えられれば、あのような有様になるのだろう。想像もしたくない。 『解決はしないでしょう。マスターの仰る通りです』 アサシンはあっさりと認めた。だが、彼は続ける。 『私には幾らでも機会がありました。私が望めばもしかしたら……いえ、望んでも叶うかは分かりません。 ですが、そうすることは出来た。私は彼と向き合うことを恐れていたのです』 何度も、何遍も、巡りあうことを恐れ、避けてきた。 それでも聖杯戦争で邂逅を果たさざる負えなくなったのは、むしろ『運命』なのだろう。 再び訪れるかも分からない、唯一の機会。 アサシンは、まさにソレだと確信していたのだ。 とんだ『運命』だ。 一体、何百、何千前から続いた馬鹿げた喧嘩なのだろう。 そんなものに巻き込まれようとする安藤は、まさしく悲劇の役と表するべきだ。 けれど――― 「もう巻き込まれたようなもんだ」 『東京』にいる以上、聖杯戦争の舞台に上がってしまった以上、全てからは逃れられない。 部屋の隅で縮こまって、ガタガタ震えて命乞いする程度なら。 対決するべきだ。 サーヴァントとマスターを殺さなければ生き残れない? だからって何も考えず、殺せと? 駄目だ。 考えろ。 考えろ、マクガイバー。 『何故、マスターは恐れを抱かないのですか』 「怖いに決まってる」 『何故、私に協力してくれるのですか』 「何故ってそんなの―――」 俺も『兄』だから、『弟』に謝りたいって気持ちは分からなくもないんだ。 液晶に写る最悪の『弟』がいる。 あの悪魔のような狂戦士。 サーヴァントに腹話術は通用するのだろうか? 分からない。けど――もし、通用するならば、あの殺人鬼に何て言わせてやろうか? それを想像した安藤は僅かにほくそ笑む。 「あーーーーーーーーーーー!!!!」 突然の絶叫。 それは安藤の声ではなく、帰宅した彼の弟――潤也のものであった。 リビングの明かりをつけながら、潤也はガミガミと兄に怒る。 「こんな真っ暗闇の中テレビ見てるとか、絶対目悪くなるだろ! しかも俺より先に帰ったのに、夕飯の用意とか全然してないよ! この人!!」 ぐうの音も出ない安藤に対し、弟はニカッと笑う。 「そう思ったからコンビニで買ってきた! 腹は減ってるだろ? 兄貴」 「……ああ」 いつも通り。 本当の意味でいつものように安藤は潤也と食事を取る。 たまにはコンビニ弁当も良いものだ。 無論、毎日食べていたら怠けていると感じるが『たまに』ならば格別問題は感じない。 今日みたいな料理に手がつけられない場合には、非常にありがたいものだった。 安藤は考える。 明日から――どうする? あの最悪の『弟』からは、もはや逃げられないのだ。対決するしかない。 けど……今、目の前にいる『弟』は? 潤也は―― もし、自分は何か言えば変わるのだろうか…… 「潤也。明日……学校のことだけど」 「もしかして、サボる気か?」 「い、いや。そうじゃなくって」 そうではあるのだが……何と言えばいいのだろうか。幾らなんでも不自然なことなのに。 ――と、安藤が思い詰めている。 潤也は顔をしかめていたが、察したらしく話を続けた。 「確かに最近、治安悪いもんな。学校も休校にするのが普通だって」 「え」 安藤は思わず顔を上げる。 そこにはいつもの弟がいた。安藤の知る『潤也』がいたのである。 潤也は呑気に唸ってから、パッと表情を変えた。 「じゃあ、俺も一緒に学校サボる!」 「はぁ!?」 「どっか遊びに行こうぜ! たまには兄弟水入らずでさ!!」 「だから――サボるつもりは……」 アレ……? 何か変だ。 安藤は違和感を覚える。否、これが潤也だ。潤也なのに間違いは無いのである。 なのに――…… さっきの『潤也』はなんだったのだろうか? 流されているだけの住人たちと同じだった『潤也』は。 違う。 自分の思いこみだったんだ。潤也は――変わってない。 「そう……だな。たまには悪くない」 「だろ?」 二人の兄弟は普段通りに笑い合う。 少なくとも安藤は気付かなかった。目の前にいる弟は、紛れもない『潤也』本人であると。 ◆ 『明日はあの刺青のバーサーカーを探すのか? しかも――あんたがマスターと疑ってる相手と一緒に』 霊体化しているライダー・ジャイロが皿洗いしている潤也に問う。 潤也の兄は、サボるにしても学校の宿題だけは終わらせておくと言って自室に戻ったところだ。 ジャイロが見る限り、どこか不穏を感じるその『兄』は、やはり疑わしい存在である。 今晩は、最悪サーヴァントの襲撃を警戒した方がいい。 少なくともそのような判断をジャイロは下していた。 何しろ『兄』の行動方針も明確ではないのだ。 敵になる可能性も否めない。 潤也は念話で返事をした。 『きっと兄貴は――バーサーカーと対決するつもりだ』 『あーテレビ見てたもんな。だが、相手が相手だ。 自分のサーヴァントによっぽどの自信がなきゃ、やろうって気すらないだろ』 『兄貴はそうなんだよ』 もはや兄弟の勘に近い感覚で潤也は確認していた。 犬養と対決しようとしたように、刺青のバーサーカーとも対決しようとする。 ちっぽけな能力、どうしようもないサーヴァントを召喚したとしても。 流されたくはない。ただ生きているだけ、そんなのは嫌だ。 だから―――対決する。 自分の兄はそういう人だった。潤也だからこそ知っている。 ジャイロからある話を聞いた潤也。 彼はかつて、平行世界を行き来する能力を持つ相手に敗北した英霊だった。 平行世界。パラレルワールド。 基本世界の隣にある別世界。 つまり――……あの『兄』も潤也の世界とは違う世界から連れて来られた存在なのだろう、と。 そういう仮説だ。 十分、非現実的な世界なのだ。平行世界なんて単語にすら馴染んてしまう。 ある意味、『兄』であるのは変わりない。 しかし――潤也の世界の『兄』ではなかった。 結局、潤也の世界の『兄』は聖杯によって取り戻す他ない。 『だったら、俺たちもあのバーサーカーを倒す。兄貴が奴を追い詰める事ができたら、その隙くらい狙えるはずだ』 利用する。――『兄』を。 きっと、向こうは弟がそのような非業に手をかけることすら考慮していない。 だからこそ、やる。 『……わかった、ジュンヤ。だが、ひとつだけ確認しておくことがある。 「利用する」つもりか? それとも「殺す」つもりか?』 『……………』 『ハッキリさせようぜ。「利用する」だけと「殺す」前提は大きく違う』 ジャイロは、過酷なレースを共に乗り越えた親友の持つ『漆黒の意思』を垣間見た。 人殺しの目。 人間性を捨てられる者。 皮肉なことに、マスターである潤也にもその意思を感じた。 潤也は酷い間を作ってから答える。 『「利用する」だけ』 『………』 『偽物だとか、本物だとか、そんなの関係ない。俺が兄貴を殺せる訳がないよ』 少なくとも、今の潤也はそう結論した。 果たして、現実はどうなるか誰も知らない。 ◆ 安藤は文学エッセイ集を眺めながら、シャーペンを動かし続ける。 果たして偽りの世界の宿題なんて意味があるのか分からないが、一応やっていくだけやるのだ。 無意味であっても、何となく生きている感じがするから……… 「ただ、漠然と生きてるみたいじゃないか……」 そう考えついた瞬間。 安藤は文字を書く作業を完全に止めてしまった。 今、自分が考えるべきは――刺青のバーサーカーと、どう対決するかだった。 安藤はふとアサシンがいることを思い出した。 「潤也はいつもああいう感じなんだ。騒がしいかもしれないけど、俺はそれが良いと思う」 『あのように普通で過ごせる事は一種の幸福です』 「……アサシンはそういう生活がしたいと、願っている?」 『マスターが一番存じているでしょう。私は願える立場の者ではないと』 確かにそうだった。 安藤が納得した矢先、疑問が湧きあがる。 「……だったら。どうしてアサシンを召喚できたんだ……?」 聖杯戦争。 安藤が思い浮かぶ聖杯とは――まさしく聖書に登場する、所謂『聖遺物』と呼ばれるもの。 もし、その『聖杯』を巡る戦争ならば安藤が召喚したというアサシンの存在は、あってはならない。 居る事すら大罪に相応しいだろう。 対して――刺青のバーサーカーの方が召喚されるに相応しい皮肉だ。 『縁でしょうか』 「縁?」 『あるいは――彼がここに呼ばれたから……私にもはっきりとした答えはありません』 時期的には、そうだ。 先に刺青のバーサーカーが召喚され、アサシンがそれに続いた形になる。 しかし――本当にそうなのか……? 縁。 運命。 必然だとか偶然なんて。 けど……納得がいかない。あの『弟』を呼んだのは、一体どんな奴なんだ……!? 考えるが、一方的にまとまる気配はなかった。 先ほど開いていたエッセイ集を閉じようと手にした安藤は、あるページに目が奪われる。 その一文に心が魅かれ、それから目で追っていくと、全身に鳥肌がたった。 何故だろう。 安藤が不思議に感じる。 理由は分かった。 その――ある村について書かれたエッセイ。 事柄全てが、まるで今、安藤のいる『東京』を示しているかのようだった。 始まりはこうである。 「『村は死によって包囲されている』―――」 ◆ Fate/Reverse ―東京虚無聖杯戦争― 【2日目 夜】 ◇ 來野巽は、この状況に戸惑いと実感のなさと――焦りを抱いていた。 一晩にして100人の人間が殺害された。それが今朝のニュース。 速報と共に死者の数は増えていく一方で、もはや東京都民全てを皆殺ししなければ止まらないのか。 刺青の男は確実に骸を生み出していった。 紛れもなくサーヴァントであろう。暴れまわるだけの行動方針から、バーサーカーのはず。 バーサーカー。狂戦士。話が通じる相手ではない。 しかし、一つ手段がある。 それはバーサーカーのマスターとの交渉。 あの――刺青のバーサーカーはマスターの命令を無視しているのではなく マスターがバーサーカーを認知していない可能性が高い。 さらに加えれば、聖杯戦争すら把握していない場合も十分予想できた。 つまり、刺青のバーサーカーのマスターを捜索する。 それが巽の決定した方針の一つ。 とはいえ、やはり東京都内で一人の人間を捜索するのも不可能に近い。 最終的に彼は外出することを選んだ。 動かなければ何も始まらない、その言葉通りである。 取り合えず巽は世田谷区から移動をし、墨田区付近の調査を始めた。 理由はとくにない。 しいて挙げるなら、現代を象徴する電波塔……それに魅かれたのかもしれない。 一刻も早く止めないと。 無意識に巽の中では焦りが生じていた。 きっと、巻き込まれてしまった刺青のバーサーカーのマスターは混乱しているだろう。 そのマスターの手助けをしたい。巽は幾度もそれを想像し続けている。 カシャリ。 と、効果音が耳に入ってきた。 東京の新たなシンボル・東京スカイツリーを横目に、一人の少女がカメラのシャッターを切っていた。 滑らかなブロンドの髪、そしてサファイヤのような美しい蒼の瞳。 顔立ちからして外国人だと分かる。 観光で訪れたのだろうか? にしては、こんな時間に。 しかも殺人鬼が徘徊する町に一人いるのは浮き上がっていた。 もしかして……マスター? 確証がまるでなかったので、巽はどう切り出すべきか悩む。 マスターだったらこれはチャンスだ。うまく話を持ちかけて、聖杯戦争を阻止する意思を見せて…… イメージだけは一人前で、実行できるかは無謀だった。 全て都合が良すぎる話なのだ。 そうこうしている内に、少女は巽に気づいてしまう。 巽は慌てて何とか話をしようと、少女のカメラに注目した。 「えっと……そのカメラ、珍しいなって」 確かに、少女のカメラはポラロイドカメラと呼ばれるもので、随分と年代物のように見受けられる。 マニアによっては貴重だ、なんて評価するんじゃないかと思えるほどに。 少女も少し間を開けてから「そうね」と笑みを浮かべる。 「私の相棒みたいなものなの。使い慣れているし、味のある写真が撮れるのよ」 成程。 白黒写真が味のあると感じるように、特定のカメラによる写真は魅力があるのだ。 カメラに長けている少女の発言に、巽は納得を貰う。 「君は観光で日本に?」 「いいえ、留学生よ。日本のことを学びに来たのだけど――ここは素敵な場所ね。とっても綺麗」 「そっか。そこまで誉められると、俺も照れるな」 少女は色のある世界に目を輝かせており、異国特有の大人びた雰囲気とは違い、もっと幼い子供のように錯覚してしまう。 まるで、当たり前の光景すら望めない。平凡に餓えた少女だった。 彼女はきっと些細な美しさにすら感動してしまいかねない。 巽は一歩話題を踏み出してみる。 「でも、最近は物騒だから気をつけた方が良い。殺人鬼が出るって噂だ」 「ええ、知ってるわ。よく知ってる」 少女は話題に触れたからだろう。巽に問いかけた。 「ねぇ……貴方は『彼』のこと、どう思ってる?」 「えっ?」 「『彼』よ。今、貴方が言った殺人鬼。どういうヒトだと思う?」 予想外の質問に巽は困惑する。 バーサーカーをどう思っているか? 巽にとってはサーヴァントであり、意思疎通は難しいとか、理性がないから性格も分からない。 ただ殺戮するだけの英霊、あるいは兵器のようだと思っていた。 こうして質問されると返答がしにくいものである。 「なんだろう……殺しを楽しんでる、とか。不謹慎だけど、そんな感じがしたかな……」 曖昧な解答。 巽も、本心からバーサーカーをそう感じていたかも覚えていない。 少女は複雑な表情を浮かべていた。 ほほ笑むような、悲しむような。 「多分、そうよ」 自分は正解を導き出したのだろうか? 巽も心に靄がかかったような、もどかしい感情を抱いた。 「彼は退屈が嫌いなのよ。残酷な暇潰しをしているだけ」 少女は昔を懐かしむように話す。 「貴方は―――『彼』に会わない方がいいわ」 少女に何と話を切りだそう、巽は口を開こうとした。 『マスター、止したほうがいい』 それを制したのはセイバー・ジークフリート。 少女はなるべく笑顔を浮かべて「貴方も気をつけて」と立ち去ってしまう。 戸惑う巽に対し、ジークフリートは念話を続けた。 『すまない。だが、彼女のサーヴァントが警戒するかも分からなかった』 「えっ、サーヴァントがいたのか?」 『俺と同じように霊体化し、彼女の周囲にいる事は十分ありえる』 「……あ」 基本的なこと。 しかし、巽には未だに受け入れきっていなかったせいで、セイバーの指摘した点を見落としていた。 それに巽の方針である、聖杯戦争を阻止することは彼女のサーヴァント次第では、許しがたいものだろう。 焦りは禁物だ。 「やっぱり、あの子はマスターなのか?」 『魔力量は明らかにある。魔術師かどうかは分からないが、何らかの能力は持っているかもしれない』 「俺は、あの子が聖杯戦争をしようとは思えない。俺と同じで、巻き込まれただけで……」 だけど。 あの子は……刺青のバーサーカーを知っているんじゃないか? 彼女がバーサーカーのマスターであるかは証拠も確証もない。 だた、巽には今の彼女は幸せそうに見えたのである…… ◇ ――追跡の類は仕掛けて来ないようだ。 少女のサーヴァント・セイバー。 真名をミリオンズ・ナイブズという彼もまた、巽の存在を警戒していたが何事もないらしい。 彼の雰囲気からしてマスターの可能性を考慮していた。 一方、少女――アイリスの方は、全く疑っていない。 先ほどの日本人・巽がアイリスと同じ、聖杯戦争のマスターである事を。 ナイブズはそれを告げる事はしない。 代わりに、アイリスに問い詰める。 『お前はあのバーサーカーを知っていたのか』 アイリスは未だに複雑な表情を浮かべたまま答えた。 「最初は信じられなかったけど……ニュースに出た彼の姿でハッキリと分かったの」 まさか、巡りあうとは考えつかなかった。 二度と対面することも、彼の殺戮を見ることも、言葉を交わす事すらないと思えた。 あれから彼とは出会っていない。噂も何も聞かなかった。 だからといって、まさか聖杯戦争の渦中で再会しようとは夢でも見ているかのよう。 夢は夢でも、悪夢の方。 「私……少し、彼と話がしたいわ」 『正気か』 「私もそう思うわよ。でもアレを見て、彼とは話せると分かったの」 あれは、良くも悪くもいつもの彼だ。 ナイブズがバーサーカーと判断する彼とは、聖杯戦争の関係上、戦い合わなければならない宿命。 彼の思考回路は何も分からない。アイリスは彼の殺戮を阻止するのは、無謀だと承知している。 酷い話、そんなことはしようと思っていない。 彼を止める手段こそ殺害の他ないのだから。 分かっている。 簡単なことは全部分かっている。 嫌と言うほどアイリス自身が体験している。 過去とはもはや決別したかったし、自身も普通の存在でありたいと聖杯に願うつもりだ。 なのに――否、だからこそ会わなければならないのかもしれない。 そして――アイリスはもう一つの宿命を、知らぬ間に背負わされていた。 即ち『運命の試験紙』。 ミリオンズ・ナイブズは人類の見極めを彼女を通して判断する。 アイリスの選択一つによって、ナイブズの運命も、全ての歯車がどちらの向きに回転するかも決定される。 あの殺戮者とアイリスが対峙することも運命ならば、ナイブスは妨害することはないだろう。 ただし『彼』と出会った瞬間に、全てが決定されるのだ。 この聖杯戦争でするべきこと、人類は滅びるべきか。 それら全てが。 アイリスも、ナイブズも、それを心のどこかで確信していた―― ◇ 黄金の回転 自然界の美は「黄金長方形」によって構成されており、その軌跡で正確に物質を回転させることにより 発生する無限の回転エネルギーです。この回転エネルギーは常識を超越した現象を発生することができます。 また、騎乗しながらこの技術を使うことにより「騎兵の回転」を発生させ、その効果は[削除済み]です。 ◆ あるマスターは自らの過去を隠していた。 誰だって隠し事の一つや二つはあるし、秘密をベラベラと包み隠さず話す方は返って歪である。 だからといって隠す限度というものがある。 今回の聖杯戦争において、無知であるマスターなんてのはサーヴァントからすればカモも同然。 サーヴァントにとっては厄介な令呪を伝えないのは、ありえる話。 一方、マスターであるこの男。 アダムという、アーチャーのマスターである彼。 彼は肝心な、重要な事実をあえて自らのサーヴァントに伏せていたのだ。 それは――刺青の男。 サーヴァントのクラスを考察ならば紛れもなくバーサーカーだろう存在。 それを『知っている』という、とてつもない隠し事。 何故? 『知っている』というのは非常に厄介だ。 危険性を承知しており、特性も把握しており、警察のNPCらの行動が無意味だとあざ笑っている。 全てを見逃す。 それほど悪意のある卑劣な行為をアーチャーは赦すだろうか? 否、絶対にありえない。彼は善良なサーヴァントだ。 分かっている。だからこそアダムは伏せているのだ。 刺青のバーサーカー……SCP-076-2がこのまま暴走を続ければ、魔力の枯渇により消滅を余儀なくされるはず。 バーサーカーとは現界するだけでも魔力を必要とするクラス。 ならばこそ、魔力を尽きさせ、その隙を狙う。 一日、刺青のバーサーカーの動向を追っていたアダム。 しかし、そうはうまくいかない。どうやらバーサーカーは、一日中考えなしに暴走している訳ではないのだ。 財団職員であった彼だからこそ、すぐに分かった。 おかしい。 こんなものじゃない。生半可すぎる。まだ死ぬはずだ、もっと死ぬはずだ。 あの男がこんなもので済ませるものか。 財団で……一体どれほどの死体を産み出したと思っている? 「知能……か」 皮肉な事に、SCP-076-2は高い知能がある。 アーチャーは狂化というスキルにより理性など失われるかもしれない、と言っていたが。 忘れていた。 恐らく、刺青のバーサーカー・SCP-076-2は人類から理解不能の狂気に満ちているだけで、知能がハッキリとある。 魔力のことも考慮して殺戮をしている。 そんな馬鹿な、と思うが。 かつて、それ以上に馬鹿な真似を財団はした。 彼を利用しようとした。窮屈な制限すら、彼は我慢しようとすれば我慢できる。 なんてことだ。 『どうした? 顔色が悪いぞ』 念話によるアーチャーの声が聞こえ、アダムはいつものように話す。 「平気だ。しかし……情報を集めようにも、どこもバーサーカーの話題ばかりか……」 『こんだけやってりゃ、そうだろうな。 この様子じゃ、マスターの方はバーサーカーのことも、聖杯戦争のことも知らねえだろ』 「マスターと接触し、令呪でバーサーカーを押さえつけるのも可能かもしれない」 バーサーカーの情報が湯水の如く貰えても、他の主従の情報が全くないのは問題だった。 あるいは、バーサーカーを探ろうとする者を狙うべきか。 アダムはコーヒーを置き、カフェから出た。 様子見がてらに外を歩いてみるものの、巡回するパトカー。あちこちに警官の姿。 日本の東京とは思えないほど物々しい雰囲気に包まれている。 もはや財団の人間ではないのだ、アダムは自分に言い聞かせる。 やはり――最初からアダムも分かっていたはずだ。可能性は考慮していたが、もはや捨てた。 この世界に、財団はいない。 あるいは、財団が介入できない異常……とでも言おうか。 恐らく、この世界の誰よりも刺青のバーサーカーを把握しているのは自分だ。 彼を止める術を持つのも自分だ。 しかし……彼は、聖杯を得ようと覚悟をしている。後戻りは――しない。 これでいい。これが私の娘――彼女の為。こんなことしか、してやれない。 私は失敗した。 彼女を救おうと手をつくして……もはや聖杯に頼る他ないのだ。 ―――なのに 「………なのよー」 「え? それ、本当??」 買い物帰りの主婦らしい二人が、キャイキャイと騒ぐ子供を引き連れながら、アダムの横を通り過ぎようとしていた。 「本当! さっきチラッ見たんだけど、葉っぱも全部落ちちゃってて!! ビックリしたわー」 「いやねぇ。誰かが変な薬でも公園にバラまいたのかしら」 「でも、全部は枯れてなかったわよ」 枯れる。 木が。 植物が。 「一部のところだけで……ベンチの辺り……」 一部だけ。木が、枯れて。 SCP-076-2。 アベル。 彼は あの男と―――会わせてはならない―――男――植物を枯らせる―― 気付いた時にはアダムは、その主婦たちに声をかけていた。 「す……すみません。ご婦人方。その公園は一体どちらに?」 ◆ なんだ? 私は馬鹿なのか? 財団の理念など、財団としての責任も、どうでもいいではないか。 しかし、もしそうならば、あるいは悪い夢であって欲しい。冗談で――あって欲しい。 アダムは大急ぎで公園に向かう。 こんな時間に公園など、いかにも不審者だ。しかし、どうでもいい。 確かめたかった。 アダムは到着するなり、ハッと驚愕の表情を浮かべる。 そこには既に客人がいたのだ。 妖艶な空気を醸しだす外人……アダムの経験からしてドイツ人ではないかと推測できる、少年。 いや、少年だろうか? どこか中性的で、身なりが男であったからアダムは少年と判断したのだ。 少年は花壇を眺めていた。そこで咲いていただろう花は皆、腐ったような有様だった。 ああ……これは。 周囲の様子を確認したアダムは即座に理解した。 最悪だとアダムは絶望する。 よりにもよって、出会ってはならない。もし出くわせば――どうなってしまうのか。 きっと恐ろしいことになるだろう。 だが、私は――私はもう…… 財団としての信念は――捨てる。 聖杯戦争においてアダムは決心しようとしていた。しきれていなかった。 ……サーヴァントとして召喚されたのか? 何にせよ。こんな『偶然』…… 落ち着け、それよりも――― 目の前の少年。 その存在も異様だった。何故ここにいるのだろう? まさか……マスター? 少年もアダムに気づいており「何か?」と流暢な言葉で問いかけてきた。 「い、いや。財布を落としてしまって……見かけなかったかい?」 少年は意味深にアダムを睨みつけてから、首を横に振る。 アダムは「ありがとう」と告げて、速足で立ち去った。 少年が追ってくる可能性も十分あったが、どうやらそれはないらしい。 生きた心地がしない。未だに不安が渦巻いている。 SCP-073とSCP-076-2。 邂逅してはならない。 財団はだからこそ二人を引き合わせなかったし、そのような最悪があるようでは、最早この東京は。 いや、知らない。 私にはもう無縁だ、関係は――…… 『アダム! さっきからどうしたんだよ』 アーチャーの声により正気に戻ったアダムは何とか平静を保つ。 「あの少年……私を追ってくるだろうか」 アーチャーも少年を警戒していた。明らかに彼は逸脱していると、薄々感じていたのだろう。 もしかすれば、それ以上の何かを感じ取っているのかも分からない。 アーチャーは霊体化したまま、アダムに告げる。 『今のところは来ないみたいだな。それにあの公園の……アダムもサーヴァントの仕業って思うんだろ?』 「………ああ」 だが――アダムはアーチャーにSCP-073の情報を与える事は、なかった。 ◆ ……あの人間。 公園に取り残されたドイツ人――カナエ=フォン・ロゼヴァルト。 聖杯戦争のマスターである一人。 他のマスターたちに探りを入れるべく、自身の住まう港区から移動をし、ここに立ち寄ったのは偶然。 そう、偶然。植物が枯れたという噂を聞いた。アダムと同じ理由で訪れていた。 カナエは無論、明らか様に逸脱したアダムの存在を見逃すはずがなかった。 しかし、止める。 アダムの方もカナエが追跡する恐れを考慮しているだろう。 令呪を教えていないサーヴァントならば良いが、令呪を把握しているならばサーヴァントを呼び寄せられる。 深追いしてもトドメをさせるかどうか。 警戒されては失敗する可能性もなくはない。 追跡をするか。もしくは――― 植物を枯らせたサーヴァント。 ただ単純に植物を枯らせるだけならば良いが、どうやら地脈に影響を与えるらしい。 キャスター辺りには厄介極まりないものだ。 そして、カナエのサーヴァントの宝具にとっても面倒な能力であった。 風に乗り漂ってくるは、血。 下等動物たちの、小動物たちの、それも多くの血が流れたもの。 複数の調味料を混ぜ合わせ完成した、酷い悪臭を放つ失敗作のようだった。 恐らくあの殺人鬼などと騒がれているサーヴァントの仕業だと、カナエは関心を抱かない。 『これは血祭りか! 何とも惨たらしい、数多の生贄と、人間の奔走が遠く彼方よりやって来る――』 まるでオペラ男優かのようにカナエのサーヴァント・ランサーは饒舌であった。 『葬儀において神父は語る。故人は神様に■されすぎて天国に召し上げられた、と。 然り。■とは死だ。死こそが■だ。■するが故の殺意。 件の殺戮者は■を以てして死を招くか? 否――■などはない。マスターよ。 美しきの忠誠者よ。貴方は分かるであろう! あの者は■を知らぬ殺戮者に過ぎない』 最後の最後に説得力が込められた言葉を加えられても、カナエは無関心であった。 ランサーの語る■に興味はない。 それを何かを理解しようともしない。 考えない。 考えようとした事もない。 ただ、カナエの中にあるのは月山習への忠誠……そう称する『感情』だけ―― ◆ 死ぬ気の炎 密度の濃い炎のようなエネルギーです。指紋のように一人一人炎が異なり、また炎の色、性質も異なります。 キャスター/ブルーベルは青色の『雨』の炎を持ち、その性質は鎮静です。 現在判明されている炎の種類とその性質は[編集済み]となっております。 基本属性の炎は通称:大空の七属性と呼ばれています。 ◇ 女性のみをターゲットにしたショップ。 悪くはない。 だが、なんだろう。まるでここだけ世界を隔離したような物々しい雰囲気が印象に残る。 慣れてしまえば何てことはないのだろう。けれど、こういう場所を知らぬ者にとっては不気味だ。 かわいい衣服。 かわいい商品。 かわいいもの。 女の子にとっては素敵な世界。 かわいいものが好きな女の子にとっては夢の世界。 だが、それ以外の人間は? もしかして不愉快に映し出されるのかもしれない……… 二宮飛鳥は一人、そこで買い物をしていた、 あるいは、最初で最後のここでの買い物になるかもしれなかった。 表面上でしか聖杯戦争を把握していないが、十分過ぎるほど東京は戦場になりつつあることを認識している。 こうして自由に外出するのも控えなければならない。 飛鳥のサーヴァント・アサシンは、そのように忠告をした。 全くその通りだ。反論の余地は一切ない。 そうなれば日常の生活はどのように過ごすべきだろう? 平穏から逃げるのも手だが、少女でしかない飛鳥にとって一人孤独に東京を彷徨う選択に希望は見えない。 焦るべきだが、不思議と焦りも恐怖も湧きあがってはこない。 緊張は持った方がいいのに、だけど恐怖は慣れてしまったのかもしれない。 死ぬのは怖い。生き残りたい。 だけど……なんでだろうか、あの殺人狂。 あそこまで馬鹿馬鹿しいほど死体の山を作って、自分が殺される恐怖を抱くどころか何も感じなかった。 他人事ではないはずなのに。どうしてだろうか。 「彼は一体どんな戦を繰り広げてきたのだろう」 ふと、そんな言葉を口にする飛鳥。 念話で彼女は続きをアサシンに告げた。 『彼がただの勇敢な蛮人だけで英霊と称され、サーヴァントとして召喚されるなんて思えないんだ。 ボクは……分からないよ。あの戦士が如何に素晴らしい功績を残してきたかも、どれほどの戦士なのかも。 興味がない訳じゃないんだ。不思議だろう? 明らかに危険因子であるのに、非常に魅力的だ』 悪が魅力的に感じるのは物語の基本だ。 物語における主役を輝かせる為には、悪が悪でなければならない。悪であり続けなければならない。 成程。あの刺青のバーサーカーが魅力的に感じるのは、皆平等なのだ。 だが――アサシンは、理由なき殺人をする殺人鬼であった零崎曲識は、どうだろうと感じていた。 確かに、あのバーサーカーは理由なく殺人を行っているのだろう。 殺戮をするのに理由などないのだろう。 動機もないし、力を示したい訳でもなく、暴力を魅せたい訳でもないと分かる。 楽しんでいる。闘争を。 しかし、根源が見えない。 分からない。 殺人鬼である曲識にも、バーサーカーを理解するのは不可能だった。 『しかし、危険だ。僕も彼とは真っ向勝負するのは御免だ。勝負しようとも思っていない』 『ボクも興味が尽きないけれども、彼と直接会おうとは願っていないさ』 『フム。関心があるだけか』 『今のところはね』 あのような戦闘狂と巡り会う瞬間など、飛鳥には想像つかない領域である。 彼女の住む世界には血も死体も、闘争も殺意も、暴力なんてものは一切ないのだから。 この――ショッピングを楽しむ少女というのが普通だ。 店の一角にお菓子売り場があった。 そこにあるのは色取り取りガムやキャンディー、グミといったもの。 これもかわいいものに含まれるからか、たまに置いてある店は見かける。 飛鳥は置かれてある大き目の棒付きキャンディーを眺めた。 『ああいった大きいお菓子を買う人間をボクは見た事がないのだけど、実際どんな人が買うのだろう?』 『面白半分に買うのは一理ありそうだが、普通ならば手に取ろうとすらしないだろう』 『大きさからして子供向けでもないんだ。そもそも食べる前提で作られていないとすらボクは感じるよ』 『つまり、観賞用か』 『飴細工で芸術品を生み出せるくらいだ。そういう目的もあるかもしれないね』 そこに一人の女性が現れる。 彼女は他の商品には目もくれず、真っ先にお菓子売り場へ足を運んだ。 飛鳥が見守る中、彼女は何故か飴だけを全て商品カゴに放りこむ。 食べきれないであろう大き目の棒付きキャンディーまで全て。 そんなに飴が好きなのか? もしかして結構大食いの女性なのだろうか? 一体全体、飴をどうするつもりなのだろうか……? さすがの量に、店員も少々度肝を抜かしていたが彼女は酷く冷静そのものだった。 最初からこれほどの飴を買い集める予定だったらしく、小さなスーツケースに大量の飴を詰め込む女性。 そのまま彼女は店内から立ち去ってしまう。 飛鳥は彼女を追った。 店の外に飛び出したものの、例の女性は人ごみの紛れ、姿を完全に消してしまっている。 唯一分かったのは、あの巨大キャンディーに需要があったという事実だった。 ◇ 「もっと質の良いのなかったのかい」 「あちこちかき集めて、それだけだ。 ここは何の特別もない場所に過ぎない……物に質を求めるのは止した方が良い」 不満を漏らしているのは、飴を購入した女性――ホット・パンツのサーヴァント。 ランサーのクラスでありながら、彼女は武器は所持していない。 武器となりうるのは、ランサーの好物でもある飴。 その飴が『槍』を作り上げるからこそ、彼女はランサーなのだ。 そして、それこそがランサーの欠点。 武器となる飴が存在しなければ戦うことが困難となる。 ホット・パンツは、東京のありとあらゆる有名店に赴き、飴だけを購入しまくった。 ある意味、有名人になってしまいかねない行動だったが、飴さえ手に入れてしまえば問題は無い。 彼女の手元にある金もそれなりに消費してしまったものの。 ここでの金を失ったところで、彼女自身に影響などないのだ。 少女のなりをしたランサーが飴を睨み、その内一つを口にくわえた。 味を確かめながら彼女は言う。 「まずはアイツ―――馬鹿みたいに殺しまくって殺人鬼なんて持て囃されるバーサーカーだね。 あんだけ暴れて目立ってるんだ。探せばすぐに見つかるだろ」 「……それはあたしたちに限った話じゃあない。他の連中も動いているはず……それに妙だ。 このバーサーカー。今朝の犯行から音沙汰なし。これをどう思う?」 飴を買うのに夢中で、すっかり忘れていた訳ではない。 ホット・パンツも東京でシスターの役者を演じている際、入手したスマートフォンで情報を仕入れていた。 続報で男(バーサーカー)の防犯カメラ映像など流れているが、それ以降の話は聞かない。 今朝――昼間に入る頃の犯行を最後に、その存在は幻想のようにかき消えている。 ランサーは眉間にしわを寄せ、唸る。 「他の奴らが殺した……かも。あとは、魔力切れ? バーサーカーは魔力消費がハンパないからね」 「魔力がなくなって……それで消滅するほど知能は失うのか?」 「いや、どうだろうね。ある程度、自重はするかもしれないけど…… むー。こういうのはあたしよりも、ティトォの方が向いているからねぇ」 考察は苦手らしいランサーは珍しく頭をかかえている。 つまり、策の方はホット・パンツに委ねられるのだ。 彼女は改めて情報を整理し、ランサーに問う。 「なら、逆に聞く。知能のあるバーサーカーはありうるか?」 「あーいるいる。普通に喋ったりする奴も全然いるよ。けど、所詮はバーサーカーだし期待できるほどじゃない」 「だが、いるんだな。そういうバーサーカーは」 「………刺青のアイツが『そういう』バーサーカーだって言うのかい」 「確証は無い。だが、魔力を温存させるのを考慮し行動するバーサーカーの可能性は考慮するべきだ」 姿を隠しているのなら、霊体化。 サーヴァントたちにとっては普通の話であったが、実に厄介な能力だとホット・パンツは感じた。 その気になれば、どんなサーヴァントも気配を消してしまえる。 魔力とは無縁のマスターからすれば、文字通りの脅威となるものだった。 もし、例のバーサーカーは霊体化し、獲物を狙っているのならば…… 「ランサー。これからは、なるべく霊体化しておいた方が良い」 「む。……霊体化してじっとしてるのは、癪だね」 「分かっている。少なくとも――あのバーサーカーが死んだと確証を得るまでだ。 ランサーも奴と真正面からぶつかり合うのは避けたいだろう」 「まあね。あたしの技を直接叩きつけるタイミングってのがあるだろうし」 ランサーも反論しなかった。 今は三人ではなく、一人。 かつて不老不死であった頃は、一つの肉体に三つの魂があり、死ぬたびに魂が入れ替わった。 彼女はだた一人。 飴の魔法使い、アクア。それ以下でも、それ以上でもない。 ただ、それだけだった。 ◇ 『魔法』(マテリアル・パズル) 『魔法』(マテリアル・パズル)は、あらゆるものに存在する魔力(マテリアル・パワー)を分解、 再構築することによる別のエネルギーに変換し、新たな法則を産み出します。 この能力は基本一人一つのみしか会得できません。 『魔法』は修行により編み出す、生まれつき所持している、あるいは[編集済み]によって習得することが可能です。 ◆ 東京都世田谷区。 そこは静寂に包まれていた。 例の殺人鬼の出現により、人々も外出を控えているのだろうか? 華やかな東京の街を歩くのは、一人の男と一人の少女だけ。 同時に、彼らはサーヴァントとマスター。 主従の一組。 少女の方は、金髪の青い目。どこかに実在していそうで、しかし二次元のような魅力を持つ存在。 一方の男は、包帯まみれ。フードを被って、いかにも猟奇的で残虐性を連想させる狂気の存在。 彼女はメアリーで、彼はアサシンのサーヴァント・ザック。 彼らはどこかイカれていた。 どこか破綻して、どこか狂っている。 メアリーの目は酷く淀んでおり、ザックの方はそんな彼女に苛立ちを覚えていた。 かつて自分を殺すよう求めた少女も似たような瞳をしていたが、メアリーはそれとは違ったものを感じる。 メアリーはいかにも普通だった。 別に表情が死んでいる訳でもないし、泣いたり、笑ったり、感情が生きている。 なのに、どこかおかしい。 普通であるのに異常性を放っていた。 気持ち悪い。 会って間もない相手に抱く感情ではない。 なのに、どうしようもなくザックは嫌悪感に満たされていた。 しかも、メアリーがマスターである為、殺そうにも殺せないのだから厄介である。 「あ……」 メアリーはある物を目にした。 一つの店。綺麗なドレス、高級なバッグ、華やかな靴。 あるブランド店のショーウインドウ。 嗚呼、なんて美しいのだろう。 とても美しくて、色鮮やかで、煌びやかな世界。こういう世界をずっと、ずっと見たかった。 メアリーはそう思った。思ったからこそ、何か違和感を覚える。 自分はどうして外の世界に感動しているのだろう。 日本自体に憧れでもあったのだろうか? 致命的に記憶が欠如しているせいで、メアリーは自らの心に戸惑っていたりする。 だけど、こんな光景をずっと見たいと思っていた。 外の世界は人が生きていて、明るくて、美しい場所。 「おい、何してんだよ」 メアリーが足を止めたので、ザックが苛立って彼女に言う。 だが、不思議な事に。メアリーは店内を眺めている内に疑問を産む。 「ねえ、ザック」 「あ?」 「お店の人……いないの?」 店内には誰もいなかった。 客どころか、店員まで。誰もいない。 こんな高級店なのに、警備員の一人もいないことすら可笑しいかもしれない。 ここで彼らは異常を感じ取ったのだろう。 自分らの異常ではなく、自分たちのいる『ここ』の異常に。 この大都会・東京で、店を開けたまま放置するなど絶対にありえないのだ。 最初は好都合として済ませていたが、いよいよ何かがおかしいと思うべきである。 ザックは確信する。 既に攻撃が始まっている。聖杯戦争が始まっている。 外を見ても、人っ子一人歩いていないではないか。もう敵が近くで何かを仕掛けているに違いない。 歓喜の笑みを浮かべ、ザックはメアリーに呼びかけた。 「おい! 早く来い!! サーヴァントが近くにいやがる」 「あっ、待って!」 メアリーは慌てて、ザックを追いかける。 しばらく道を走れば、臭いが漂う。 血の臭い。 ちょっとどころなら、接近しなければならないだろうが、もはや少量どころではない。 量とか質の問題でもなかった。 やはり異常であった。 死体が大量に、乱雑に、ある公園を中心にして転がっている。 学生、会社員、主婦、子供、警察官、店員、他にも様々。 どれもこれも死んでおり、どれもこれも『皆殺し合った』結果だった。 これら全てが聖杯戦争の関係者だなんて、ザックも想定しない。 だが、聖杯戦争とは無縁ではないはず。 メアリーは茫然としていたが、ザックはありふれた光景のように済ませている。 「うざってぇな、こいつら」 死体を足か鎌でどかし、傍若無人に道を作るザック。 もはや死者への敬意など一切なかった。 メアリーは流されるまま、ザックの背後についていくだけ。 公園に――生きた存在がいた。 「あいつの仕業か? どうすりゃこんな事できんだァ? あー考えても分かんねぇ」 全員殺せばいいだけ。 だから、細かいことなんてどうだっていい。 ザックがそんな自論を掲げて刃を向けたのは――ただの幼女だった。 俄かに信じられないが、メアリーには分かる。 ポカンとこちらを見つめる幼女。彼女が『ライダー』のサーヴァントであるとメアリーには理解できた。 「ザック。あの子にライダーって文字が見える」 「おう、そうか」 だったら尚更。 ザックが本気で駆けると、メアリーにとっては文字通りのあっという間だった。 一瞬。 寸劇にも等しい。 高笑いを上げながら、躊躇もなく、小さな幼女の肉体に鎌を突き刺す。 そのまま、彼女の体をバットで跳ね返したボールの如く、建物の方へぶっ飛ばしてしまった。 鮮やかなショーウインドウが破壊され、彼女の姿はその店の奥へ消えてしまう。 それきりだった。 「よし、まず一人殺した」 「………!」 「マスターは? 探すの面倒だな。どうせサーヴァントが消えりゃ意味ねぇし、別にいいか」 殺した? メアリーは訳も分からないままザックと行動し、あの『ライダー』という幼女が何者かも分からないまま。 ただ、こうして立ちつくしていただけだった。 罪悪感に襲われているメアリーだが、ザックから見れば相変わらず汚いを瞳をした気も血の悪い少女でしかない。 折角、サーヴァントを殺したのに全然気分が良くない。 本当気持ち悪いな、こいつ。 そんな感想をしつつ、ザックは立ち去ろうとした。 「次だ! 次いくぞ」 メアリーに振り返る勇気はなかった。 あの幼女の死体なんて見たくない。この死体たちも知らない。 こんなものは知らない。 外の世界はもっと人が生きていて、明るくて、美しい場所なんだと。 記憶がないながらも、彼女はそうだと信じ切っていた。 彼らは、幼女が眺めていたことを知らない。 彼らの姿がなくなるまで、店内からじっと見つめていた事。ザックが負わせた傷が完治している幼女。 何も知らないまま、彼らはここを後にした事を。 「ああ、ここにいましたか」 幼女の表情が明るくなる。 現れたのは、彼女のマスターであり、唯一彼女に狂わされない人間――平坂黄泉。 相変わらず紙袋を頭にかぶった奇抜な容姿だが、もはや誰も彼を咎める人間がいない。 人間は――少なくとも、ここらにいる人間は全て幼女自身の能力によって死を遂げたのだ。 平坂は、それすら想像してしない。 平坂は突如、家から姿を消した幼女を探していた。 それだけであった。 ただ、ここで酷い暴動があったのは聞こえている。 例の殺人鬼の仕業なのだろうか。平坂は幼女に問う。 「犯人を見かけませんでしたか?」 幼女は無言であったが、頷いた。 だが、彼女が後に絵で描いたのはフードを被った男であった。 平坂が、それを知る事は出来ない――…… ◆ アサシン/アイザック・フォスター 所謂、典型的な快楽殺人鬼に分類されます。彼いわく、幸福である人間を殺傷し 絶望に追いやられる姿や恐怖に怯える表情に興奮し、その為、感情が欠如した人間を 殺害するのに酷く抵抗するなど、彼の中ではある程度の観念が定まっております。 ◇ 先導エミは溜息をつく。 こうして待っているのに、一向に彼は現れないのだ。多少の苛立ちを感じてしまう。 遅刻するなんて……と文句を抱きつつも、相変わらずなんだから、なんて納得していた。 エミの目の前には道路が広がっている。 車が行き交う道路だ。エミのいる向かい側に彼の姿はあった。 「アイチ!」 とっさにエミは叫んだ。 遅いったらありゃしない。アイチの方はきっと「ごめん」なんて困った顔をしながら告げるだろう。 しかし、エミはアイチが現れた事を心から喜ぶ。 散々、足が折れそうになるほど探した兄がいる。エミは彼に向って走り出していた。 アイチも気付いて、エミに向かい走る。 だが、様子がおかしい。 アイチは焦ったような表情で、必死にエミへ手を伸ばしていた。 次の瞬間。 ブレーキ音。 「おにいちゃん! おにいちゃぁぁぁーーーーーーーーんっ!!!!」 ……■■■■■が信号を見ていなかったから…… ちゃんと見ていたら……だから、いなくなっちゃった…… おにいちゃん……いなくなっちゃった……いなくなっちゃったんだよ…… 少女の悪夢は終わった。 「!」 先導エミは悪夢にうなされていただけで、兄の姿も、自分が轢かれた道路もそこにはない。 人気のない、薄暗い公園。 そこにある遊具のトンネルの中でエミは眠りについていた。 そのまま眠るのは厳しいので、家から持ち出した毛布と枕を敷いている。 さっきの夢……でも、あれは私じゃなかった気が…… 青ざめている彼女に対し、キャスターが声をかけた。 『エミ、全然寝てないけど平気?』 「うん……」 『家に帰ったら? ブルーベルも、こーんなジメジメしたところでじっとなんかしたくないもん』 「ブルーベルちゃん……でも、あそこに居たら駄目な気がして。アイチのことを忘れるのが怖いの」 別にそのような事はないのだが、キャスターことブルーベルは何も言わなかった。 エミが家を抜けだした時点で、もう警察の方に通報やらされてしまっているだろう。 今更戻ろうが、エミの行動は日常から逸脱しており、既に把握されているかも分からない。 何より、エミの目的は聖杯戦争からの脱出と兄・先導アイチの捜索。 アイチに関しては、本来いるべき世界にいる可能性が高い。 だが、エミは話すにアイチ以外の人間たち、アイチの友人やエミの友人、家族。学校。 全ては再現されているとのこと。 アイチのみが居ない。 ポッカリと、空洞を開けられたかのように。 奇妙だった。異常だった。 些細な欠陥だが、ある意味。それは先導エミの記憶を呼び覚ます切っ掛けでもある。 『アイチもマスターだったりしてね』 「えっ!?」 『だって、そうじゃない? サーヴァントの能力を使って、わざと自分の存在を消したんだよ』 「……っ」 エミはそれを切り捨てたかった。 何より、エミにはアイチが聖杯を手に入れようとする心当たりがない。 第一、アイチは戦争なんて……そんなことが出来る人間ではないのだから。 しかし、改めてエミは確信する。 「やっぱり……アイチはどこかにいる」 兄妹の勘。もしくは、第六感。エミにはオカルトじみた能力なんて一切ない。 エミはそれでもアイチを探すのを決心した。 東京からの脱出。 何らかの力が働いているとしか思えないほど、彼女はそれが叶わなかった。 次は県境を目指そうと、エミは考えている。 とはいえ、中学生のエミが持ち込んだ所持金。 どこまで往けるか定かではない。それでも――エミはどうにかして、脱出しようと思案する。 食費やバス代、電車代。あとは体力。 情けないほど足りないが、自分の力で何とかしなくては。 第一。 あの殺人鬼から逃れたい一心があった。 「行こう……」 時間も惜しかった。 エミは遊具のトンネルから外へ出る。冷たい風が彼女に吹きつけた。 公園から不気味なほど静寂に満ちた住宅街へ、遠くではパトカーのサイレンが鳴り響いている。 あの殺人鬼はまだ捕らわれていないのだろうか。 住宅街を歩くだけで、エミは警戒してばかりだった。 他の人間に見つかっただけでも怪しまれそうだから…… このような時間にエミのような少女が放浪しているのは不信過ぎるし、目立つ。 最悪、聖杯戦争に参加しているマスターかサーヴァントに捕捉されてしまったなら…… ブルーベルが倒した騎士――恐らくセイバーのサーヴァント。 彼のマスターは、一体……もしかしたら、あの殺人鬼によってもう……分からない。 だが、エミも戦いたくなかった。 自分が戦えないのもそうだが、戦意もないのに仕方なく戦闘する――なんて言い訳もしたくないのだ。 『ちょっと、エミ!』 ブルーベルが念話で呼びかける。 彼女たちの行く先に、一人の少年がいた。 恐らくエミと同い年くらいの少年であろうが、いかにも不良といった雰囲気を醸し出しており。 このような時間帯に出歩いても、反抗期かと済まされそうな存在。 だが、異常だった。 少なくとも、不良少年とはいえ殺人鬼が徘徊する『東京』に出歩こうとするなど、相当肝が据わっている。 「……?」 最初はどうしようかと戸惑ったエミ。 同い年だから、まだ何とかなるかもしれない。 向こうもこんな時間帯に出歩いているから、エミにちょっかいをする余裕などないかも。 だが、やはり狂っていた。 他者を逸脱したエミと同じ少年。 ならば、きっと彼もまた。 少年もそれに気付いたのだろう、大きく声を上げる。 「お前―――――まさか――」 行動が早かったのはブルーベルだった。 霊体化を解除するなり、青い炎を足に点火させると、エミを抱えて空へと浮上する。 エミもブルーベルの能力を把握しているとはいえ、実際空中に漂うのには驚いた。 少年は驚きはしたものの、大した驚きではなく。 彼女たちを追いかけようと走り出している。 「バーカ」とブルーベルは、あっかんべーをして挑発した後。 炎の出力を上昇し、車よりも早くその場から立ち去って行った。 少なくとも、並の敏捷でも追いつけることはないだろう。 だが、この状態は夜では尚更目立つのでブルーベルも、少年から逃げ切った先でエミを降ろすつもりだった。 一方の不良少年――馳尾勇路といった彼は、彼女達を追跡するのを止めた。 だが、青い炎を点火させるサーヴァントが『キャスター』であることは把握していた。 戦闘するどころか、彼女たちは逃亡を図った。 何故? 恐らく……勇路と同じく巻き込まれた少女。 マスターと思わしき少女も、サーヴァントであるキャスターの少女。 どちらも勇路にとっては、ある少女を連想させた。 『少々変わったサーヴァントだ。何のクラスかは見えたかね』 念話で勇路に問いかけるバーサーカー。 ヴラド三世。 かの吸血鬼、串刺し公、恐らく勇路にとってはトラウマの根源たる『針』による因果が纏わりついたことで 召喚されたサーヴァントではないか。そんな英霊。 勇路は素っ気なく答えた。 「キャスターって見えた。魔術師かどうかは分からねぇけど」 『ほう? キャスターか。成程……しかし、それにしても』 「?」 『……いや、何でもない。今日はいつになく血の臭いが漂う』 吸血鬼だから分かるのか。 何て些細な事は尋ねない。 勇路は、少し思い詰めてから決心した。 あの少女たちと話をしよう。 うまく話が出来るかは分からないが、少なくとも殺し合おうとはしていないのだ。 あの少女たちは……助けたい。 勇路もまた『罪人』だった。 だからこそ『兄を探す妹』や『兄を失った妹』に惹かれたのかもしれない。 もはや運命なのだろう。 それを知らぬ勇路は、再び狂気と混沌が渦巻く夜の東京を放浪した。 そして、バーサーカー・ヴラド三世の抱く違和感というのがあった。 この『東京』には何かある。 否。 何かがいる。 彼はまだここに導かれた『異なる自身』の存在を知らぬまま。 巡りあうかも定かではなかった。 ◇ 泡禍(バブル・ペリル) ■■と呼ばれる集合無意識に眠っている絶対存在が産み出す現象です。この現象は人類に 対し、恐怖と悪夢を与えるべく発生します。この現象で見られる多くの共通点は、[削除済み] や[編集済み]などの例から、寓話をモチーフにされており、事前に予測、対策することが可能です。 この現象から生存した人間には精神的なトラウマの断片、通称: 断章 と呼ばれる能力を保有します。 ◆ 聖杯戦争とは何たるか。 実感するのはマスターがサーヴァントの召喚に成功した瞬間から、なんて夢描くかもしれない。 現実は違う。 サーヴァント同士の死闘、それに巻き込まれ、生死を彷徨う時間。 あるいは、サーヴァントの凶行。 それらを目撃した瞬間から――なのかもしれない。 自称:ナイスガイ――松野カラ松は、聖杯戦争を体験してしまった。 彼が目撃したのは、地獄である。 単語だけで表現するのは容易だが、これは地獄以外の何だと云うのだろう。 もし、地獄以外の例えがあるのならば教えて欲しいくらいのものだった。 ざわざわと近所の騒がしさに反応したカラ松は、それに関心を抱いた。 向こうがやばいらしい。 と、人々が口にし、面白半分に足を運ぶ者が絶えない。カラ松も流されて、興味半分に足を動かす。 そして……後悔した。 例の光景を眺めたのはほんの数秒。 現場に遅れて到着した警官たちが、野次馬を押しのけ、慌ただしくブルーシートで現場を隠す。 しかし、鮮明に記憶の中で留まった。 血の水たまりなんて初めて見た。 散乱する人間の肉片など、むき出しになった骨や、この悪臭。 一体どれほどの人間が犠牲になったのだろうか? 警官たちの誘導はさらに酷くなる。 ここら一帯を完全閉鎖すると宣言し始めたのである。奥まで足を進めたら、もっともっと死体を目にする意味だ。 問題は――あの死体たちをどうやれば産みだせたのだろうか、なんて馬鹿らしいもの。 サーヴァントの仕業。 近頃、出没した殺人鬼。 カラ松のサーヴァント・アサシンも、あれはサーヴァントで恐らくバーサーカーだと予想していた。 まさか。あのような所業をしたサーヴァントと戦え、なんてことは。 カラ松の中に恐怖が誕生する。 最悪、■が待ち受ける。 あの■体たちのようになる。 ■にたくない。 生き残る。 漠然とだが、生への執着は確固たるものだった。 武者震いとは思えない揺れを体に感じながら、カラ松は一刻も早くそこから立ち去ろうと思った。 『待ってくれ』 突如、アサシンが念話で話しかけたので、馬鹿みたいにカラ松は反応してしまう。 何とか平穏を保つカラ松。 「あ、アレはサーヴァントの仕業なんだろ?」 『あぁ……間違いない。少し調べないか』 大声でふざけるなよと叫びたくなるのをカラ松は必死に抑えた。 正気じゃあない。真っ平御免である。 むしろ、あんなことをしたサーヴァントには二度と関わりたくないとすら願っているのに。 「全世界のカラ松ガールズが待ちくたびれている。俺は止めておこう」 声は震えていたかもしれない。 実に情けない姿だったが、カラ松にとっては精一杯の抵抗であった。 一方のアサシンは、例の惨劇と酷似した地獄を見た過去を持つ。 まるであの時の繰り返しだと憤りを感じさせるほど。 吸血鬼か、邪鬼か、もっと邪悪な化物か。 それが手を下したかのような光景に、アサシンは刺青のバーサーカーの仕業だけとは到底受け入れ切れない。 ついに他のサーヴァントも動き始めた。 もはや、東京都の聖杯戦争から逃れられるものは――いない。 アサシンは、既に覚悟を決めていた。 一方のカラ松は、相変わらず痛々しい存在だった。 ◆ 「あれ?」 人ごみのせいでカラ松も気がつかなかったのだろう、そこにいたトド松の方は兄の姿を捉えていた。 追いかけようとも考えたが、野次馬をかき分けるのも苦労がかかる。 松野トド松は、改めて事件が起きたという方向を眺めていた。 すでにブルーシートに覆われて、何が何だか。 酷い悪臭が遠くから漂うのは素人のトド松にも分かる事だった。 しかも、かなり広範囲の閉鎖をしているらしく、トド松は「うーん」と残念そうに唸った。 「セイバーちゃん、やっぱり無理そうだよ」 『うん、そうみたい』 念話でセイバーが返事をした。 この先からおいしそうな匂いがするとセイバーが言ったので、トド松は従うように足を向けただけで。 事件のことはサッパリなのだ。むしろ、知らない方が幸福なのかもしれない。 「それに」とセイバーは付け加える。 『誰かの食べかけなんてトッティも口にしたくないでしょ?』 「確かにねー……えっと、何の話?」 『うふふ。トッティー、今日は別のケーキ屋いきましょ!!』 「だったら新しくオープンした駅前のケーキ屋はどうかな」 『オススメのケーキ?』 「セイバーちゃんが好きなものを選んであげるよ」 セイバーは嬉しそうに笑うので、トド松も自然と笑顔になれた。 兄弟たちがそれを見れば「一体何があった」と問い詰めるであろうくらいに。 聖杯戦争なんて夢物語のようだった。 ひょっこり現れたセイバーは非現実じみていたが、彼女と過ごしているうちに戦争なんて終わって。 何時の間にか、聖杯は手に入れてハッピーエンド! ……になれば、どれほど良いことか。 戦争とはいかに残虐であるかも無知で、兄弟が戦争に巻き込まれる事も知らず。 そして、セイバーがいかなるサーヴァントであるかも認知していない。 彼女は知っている。 ここが『殺戮者』と『人食者』がやらかした残骸だと。 ここから先、もっと酷くなって、人居なくなって、人喰いになって…… ああ、とてもとっても楽しそうだ。 もしかしたらケーキなんか食べているよりも楽しいのだろう。 吸血鬼たるセイバー・フランドールにとっては、ワクワクが胸にうずいているのだ。 耳を澄ませば、ほら聞こえてくる。 ただの悲鳴と歓喜の声が。 ◆ 零崎一賊 理由なき殺人をする殺人鬼集団です。彼らは血の繋がりではなく、流血により繋がる一族です。 彼らの結束力は固く、名を持つを家族であると称し、敵対するものには容赦なく壊滅させます。 零崎となる原因は現在、解明されていません。 前兆なく零崎の血に目覚め、殺人をしてしまうケースが多く見られます。 ◇ 馬鹿騒ぎが夜の街で行われていた。 サイレンの音、騒音、悲鳴。寝静まろうとしていた町が目覚める。 恐らく、あの孤児院にいる子供たちも目が覚めて、院長がそれを宥めようと現れるはずだ。 そして――今剣がいないことに、気付くだろう。 「良かったのですか?」 今剣のサーヴァント・那須与一が問う。 確かに孤児院にいる子供という役割に捕らわれ続けると、行動が制限されてしまう。 聖杯戦争で日常に溶け込み、相手の様子を伺うのはもっぱら。 だが、今剣が望むのは聖杯戦争からの脱出。 誰も殺めたくは無い。 あるいは、聖杯戦争を止められるのならば……そちらを望むかもしれない。 だとしても、孤児院に居続ける理由はある。 住居の確保。 安心して熟睡も可能で、食事も用意される。あそこに残り、アーチャーに『東京』の捜索を頼む手もあった。 「ぼくがあそこにいると、みんなをまきこんでしまうかもしれません」 今剣にとっては偽りであれ、孤児院の子供たちは友であって、院長は優しい先生だった。 聖杯戦争の為だけに用意された存在だとしても、今剣の厄介事には巻き込みたくない。 彼らと共に居続ければきっと、帰りたい気持ちですら揺らいでしまいそうだ。 「それに――いまのじだいの『にほん』をみてみたいんです」 今剣は、遠い未来からやってきた。 だが、未来の日本というのを目にしたことはなかったのだ。 審神者と本丸にいて、現在や過去に関わらないよう、目にすることも、それらの情報を与える事も許されていない。 しかし、こうなっては良い機会と考える事にした。 変わり果てた日本。 今剣にとっては未知なる日本。 「ずいぶんとかわったんですね。みらいの『にほん』は」 「うん、そうだね」 アーチャーも同意する。 彼の居た時代とは想像できないほど変わってしまっているのだから。 昔が残されていないのは悲しいことだ。だからといって、悲観することではない。 歴史は語り継がれている。歴史は引き継がれている。 全てが無になった訳ではなかった。 だから、この時代の日本を受け入れよう―― 「あーちゃー」 「?」 夜道を歩いていた二人。 今剣は傍らに貼られていたポスターに目がついたのだ。 そこに写された一人の男。 かの有名な武将と同姓同名。 いいや、アーチャーはそれが正真正銘の本人であるとすぐに分かった。 『織田信長』 どうやら、この東京では国会議員の役割を持っているらしい。 うーんとアーチャーは心で「目立つなぁ、このお方は」と溜息をついてしまう。 紛れもなく、異世界で出会った織田信長本人ではあるが、果たしてマスターなのか? アーチャーと出会ったことのある織田信長なのか? ハッキリしない。 今剣は不思議そうにソレを眺めていた。 「もしかして、ほんものの織田信長さまですか?」 「どうでしょう。ただ名前が同じ……という場合もございますし」 というより。 アーチャーは逆に今剣へ問いかける。 「彼についてはご存じなのですか?」 「はい! ぼくのなかまに『へし切長谷部』がいるんです。よく信長さまのお話をしてくれますよ」 なんだか根に持ってる感じがするのですが、と今剣が一つ付け加えて。 でしょうなぁ。と、アーチャーもどこか納得してしまった。 ――どうしようかな。まぁ、会ってみないと分からないか……… ◇ 「あーもー何だか面倒なことになってきたにゃー。なぁ、パイズリ・パイトリア」 「もはや改変が酷過ぎて突っ込む気にもならない……一体、何がです? マスター」 聖杯戦争が間もなく始まろうとするこの状況。 いかにも政治家らしい豪邸にて、華麗に己のサーヴァントにセクハラ発言するのが、織田信長。 天下の第六天魔王と恐れられた戦国武将。 かつて天下統一の前まで到達した男。 彼がサーヴァントとして召喚されても全く疑いもしないが、どういう訳かこの聖杯戦争ではマスターだ。 記憶を取り戻し、彼が手につけたのはパソコン。 インターネット社会に戦国武将が溶け込もうなんて無謀かもしれないが、この男はやってのけた。 異世界の言語も実はペラペラ喋れるようになれるほど、理解力は高かったのだ。 本選開始前に、ようやく色々と自力で検索など自在に使いこなせるまで至る。 信長が己のサーヴァント・アーチャーに対し、鼻で笑う。 「何がって。お前、分かってんだろ? 分かってないで聞いてる? コイツだ」 信長が操作すると、パソコンの液晶画面で動画が再生された。 インターネットはサイバー監視など、御託を並べようが半ば無法地帯である。 こうして――殺人鬼の凶行を撮影したものが出回っているのだから…… 虐殺されていく人々。 逃げ惑う人々。 それを見て、何ともないアーチャーではない。 「……恐らくですが、バーサーカーのサーヴァントでしょう。 理性もなく。多分……主の命にも従わず暴走していると思われます」 「ふーん? お前はそう思うの」 「マスターは違うと?」 信長は殺人鬼であり、バーサーカーであり、そこに確かにいる刺青のサーヴァントを見つめた。 「俺はコイツと同じ奴を見たことある。馬鹿じゃあない。 馬鹿は馬鹿でも、戦バカではある。戦の為に生まれてきたようなもんじゃ。 全知全能が戦に特化してる奴。理性がない訳ないわな。思考がなきゃこんな戦い方できやしない」 アーチャーは感心した。 この人、やっぱり戦争で生きた人だ。そういう人間なんだ。 ちゃんと分かってる。だって―――私だってこの『バーサーカー』をそうだと思ったから。 「それに――こんなもんじゃないだろ。本気を出せば、もっと殺せるぞ。コイツ。 信じられないが、こりゃ『暇つぶし』だ。『退屈凌ぎ』だ。 こんなのずっとほっとけって、悠長にもほどがある」 「……はい」 かつてアーチャーが仕えた吸血鬼も、そうだった。 人であることを止め、死を追い求めるように闘争を続けた。 人でなくなったからこそ、人に滅ぼされたがった。どうしようもない化物。 死ぬまで止まらない。 死ぬ事でしか止まらない。 いや、きっと。 アーチャーが彼を打ち滅ぼしたとしても 嗚呼、良い闘争だった。 そう感動を残し、笑って死んでいきそうな―――そんな戦闘狂だと、彼女は感じた。 「………となりゃ、問題はどの程度バカかだな。面倒なバカなら、さすがにパイトリアも相手が厳しいじゃろ」 「あの、真名を改変した呼び名は止めて貰えマスカ」 「じゃあ、パイチャー」 「じゃあ、ってなんですか!」 ◇ 漂流者 史実において生死不明のまま消息を絶った者が異世界で呼ばれる総称です。それらと対立関係にある [編集済み]というものがあります。[編集済み]のような特殊能力は保持しておらず、生前の人格などは 歪められてはおりません。しかしながら、人格によっては[編集済み]よりも危険視されます。 ◆ 駄目……どうして…… ルーシー・スティールは絶望していた。 彼女の考えうるだけの手段で、東京都内から脱出を図ろうとしても見えない何かによって阻まれ続けている。 県境には何故か警察の検問や工事などによって封鎖されていて―― 今朝は体調が酷かったものの。 今は大分落ち着いている為、この状況による過労なのだと思いこんだルーシー。 一体、あたしの身に何が起きているの……? 『東京』から脱出する方法……もう無理。今日は寝るしかないわ。 頭が全然動かない。明日……あの男も、あたしがここにいるとはまだ気付いていないはず。 大丈夫……大丈夫だから…… 自分に言い聞かせるルーシーの瞳には涙が溜まる。 夫のスティールのところへ一刻も早く戻りたい。彼の声をもう一度聞きたい。 なのに、脳裏には刺青の男の存在が過り、彼がルーシーに刃を振り下ろす悪夢を想像してばかりだった。 刺青の男はルーシーに殺意を抱いているのか? 否、ルーシーはあの男は殺意があると断言していた。 勘でしかないものの、その勘は正しかった。 紛れもなく――刺青の男・バーサーカーはルーシーを殺害しようとしているのだから。 ああ、スティーブン……もう一度会えるの……? アタシ……どうすればいいの……? ルーシーはまだ聖杯戦争を知らない。 何も分からず。ただホテルに戻り、体を休めるだけだった。 狂気の戦士の主は、眠りにつくだけ……… だが、彼女が聖杯戦争を何たるかを理解した時。 恐らくきっと、それが彼女にとっての始まりの瞬間なのだろう。 ◆ 羽田空港。 東京都大田区にあるここは、確かに存在していたのだ。 一応、人もいるし、飛行機も存在するが、そこへ到達するのはどういう訳か困難を極める。 何より不気味だった。 空港内に出店しているだろう場所は全てシャッターが降りて、空港内もほぼ無人。 カウンターに従業員の姿はある。だが、どういう訳か動いている飛行機の姿すらなかった。 当然だった。 飛行機は全て『欠航』のアナウンスが流されている。 「おかしいだろ。なぁ、一体どういう理由で全部欠航になっているんだ?」 人気もない空港ロビーで、一人の男性がカウンターで呆けている従業員に尋ねていた。 その男は、間違いなく(顔立ちからしても)日本人で首には男性には似合わない、 赤い宝石が飾られた首かざりを身に着けていた。 従業員は至って冷静に返答する。 「本日の便は全て欠航です。申し訳ございませんが、今日のところはお引き取り願います」 「それじゃ明日は?」 「明日も全て欠航です」 「ああ、そうかい。だったら一つ聞こうか。君はどうやってあの殺人鬼から逃げるつもりかね?」 男が指差したのは、モニターに写るニュース映像。 あの刺青男の防犯カメラの姿。 従業員は首を傾げる。 「さあ。何を尋ねられているか、私にはサッパリですが」 「一つ良い事を教えてあげよう。彼に出くわしたら○×ゲームで勝負しようと持ちかけてみてくれ。 ほんのちょっぴりだけ寿命が延びると思うよ」 従業員は「はあ」と溜息混じりの言葉を漏らして、それきりだった。 一方の男は、やれやれといった風に踵をかえす。 そんな男に対し、念話で彼のサーヴァントが言う。 『どうしてあの「バーサーカー」に関わろうとするの? 本当に命知らずね』 「ユユコ、君だって『自分を殺した相手』を放っておく訳いかないだろう?」 次の瞬間。 和服を着た少女が、音も気配もなく出現した。 その少女・キャスターは、意外そうに話始める。 「あら? それ、私は初耳よ」 「おっと、ユユコにはまだ話していなかったかい? SCP-076-2……『アベル』の話は散々したつもりだったのけれど」 「○×ゲームで三時間くらい引き分けを認めなかったのでしょ?」 「違う違う、三週間だよ。まぁ、この際はどっちでもいいかな」 そんなことなんてどうだっていい。 何故ならば――…… 人であった頃。 有限の命を持っていた頃。 あの戦士に殺された男――ジャック・ブライトは、いよいよ聖杯戦争が始まろうとするのを感じていた。 アベルの殺戮パーティはきっと、前夜祭か何かなんだと思っている。 「どうにかしてアベルのマスターと接触して、令呪で命令させたいんだ。 奴にやらせたいことが沢山ありすぎて私は困っているよ!」 「例えば?」 「ユユコ、アベルとダンスでも踊らないかい?」 「冗談はその首飾りだけにして欲しいわ……さすがに私もお断りよ。令呪なんて使わないでくれる?」 「令呪というのは、そういう為に存在すると私は思うのだがね」 「絶対違うわ。世間話はここまでにして――彼のマスターと本当に接触するつもり?」 うーん、とブライトは唸る。 公衆電話をチラリと眺めてから、やれやれといった風に溜息ついた。 「参った。日本には一生来れないと思っていたんだ。日本支部の連絡先を記憶するべきだったよ」 楽観視していた訳ではない。 だが、いよいよもって聖杯戦争という現象は異常極まりないものと化していた。 外部との連絡手段も、海外にある『財団』と接触する手段も。 しかも、あのアベルがサーヴァントとして召喚されているのだ。 もはや、東京が終わるのは目に見えるほどの状況である。 ブライトは改めて話をした。 「本当のところ、奴に生ぬるい内容で令呪を使ったら何をしでかすか分からないよ。 『人を殺すな』なんて命令したら、奴は平気で自害しそうだ」 「それはそれで良くないかしら?」 「いやいや、そんな事をしてしまってはつまら……アベルのマスターが可哀想じゃないか!」 「……そうね」 「きっと状況も分かっていないだろうから、私はそのマスターと是非とも接触したいんだ。 そうだ。ユユコ。普通のダンスが嫌ならジャパニーズダンス……盆踊りはどうかね?」 ◆ 『ブライト博士が聖杯戦争で2度としてはいけないことの公式リスト(随時追加)』 令呪を私的欲求の為に使用してはなりません。 令呪は願いを叶える魔法のランプのように扱うことは禁止されています。 聖杯戦争の知識のないマスターを唆して、令呪を使用させるのは以ての外です。 ◇ ああ、哀しい人。 地獄のような『東京』。 ここにいるサーヴァントの一人・ランサーは思う。 マスターであるホムンクルス……ジークという少年と共に、一歩出歩けば人々が噂する。 挨拶の次に、あの殺人鬼の話をしているのが日常と化しているのだ。 ジークは――やはり、あの殺人鬼……恐らくバーサーカーのサーヴァントである彼を、どうにかしようとしている。 マスターの命令であのような所業に走っているのか。 マスターを無視しあのような殺戮を行っているのか。 バーサーカーの場合、後者の方が十分ありえそうだろう。 何であれ、刺青のバーサーカーか。 そのマスターと接触しなければとジークは固く思う。 ただ、それ以上に胸に疼きを覚えた。 彼の中にある英霊の心臓。規格外なことではあるが、ジークの心臓はそうなのだ。 その心臓が何かを訴えている気がする。 一体……何を? 『彼』と所縁のある存在が『東京』にいるのか。或いは、『彼』そのものが? ジークは気付く。 一人の男子高校生が気分を悪くしたのか、道端でうずくまっているのを。 通行人は全く見向きもしない。まるでその男子高校生がそこにいないかのように扱っていた。 だが、ジークには迷いなどなかった。 「大丈夫か」 「あ……ああ。ちょっと目眩がして、大した事はないんだ」 ジークを追い払うように、その男子高校生は立ち去ろうとする。 「しかし、また倒れたりしたら――」 「昔から貧血気味なんだ。心配してくれてありがとう」 もっと何かしてやるべきではないのか。 ジークは思うが、相手はいつもの事だと言い張るものだから、それ以上の追求はしなかった。 ただ、複雑な思いを抱いたまま、ジークは男子高校生を見送る。 ランサーはそれに困ってしまう。 純粋無垢な、わずかに生きたホムンクルスの想い。決心。 そんな彼が愛おしく、そんな彼を――殺したくなってしまうのだ。 今はまだ、その殺意を、その愛を、どうにか堪えているが……抑えきれるか定かではない。 そして、彼女を困らせているのはジークだけではない。 例の――刺青のバーサーカー。 残虐で、反秩序的で、暴力を擬人化させたような、殺戮兵器のような、恐ろしい英霊。 だけど――哀しい人。 戦う為に、戦いに必要ないものは全て捨てた。 戦う以外の行為は全て捨てた。 きっと誰かを優しくすることも、愛することもできない。 誰かに優しくされても、愛されても何も感じない。 人々からは恐れられる。持てはやされる。嘲笑される。 だけど……きっと彼らにはただ死を与えるだけしか出来ない。 ああ……哀しい人。 だから――私は…………困ってしまいます。 ◇ 気分を悪くした男子高校生――遠野英治は、何とか帰路についていた。 もはや罪の意識など感じていない。 ここに来て殺害した、同じ不動高校にかよう少女。 彼女の死など微塵に思っていない。彼女の死など――彼の最愛の女性の死と比べれば、なんて事は無い。 英治は罪悪感による体調不良かと思っていたが、そうではない。 魔力。 というものを一般人が感じ取るのは難しい。 まして、非現実的な世界に足を踏み入れたばかりの英治にとっては尚更。 魔力の消費を体調不良や疲労などと思ってしまうことも多いだろう。 英治は、まさにそれだった。 いくら聖杯戦争を把握しているからとはいえ、魔術を理解した訳ではないのだ。 そして、自身のサーヴァント・バーサーカーを理解したことにはならない。 ――バーサーカー……あの男だ。あの刺青の男を殺せ! 奴はきっとサーヴァントだ……!! だが、英治はそれを直接命令はしていない。 ましてや念話で命令なども。令呪もまだ使用していない。 その程度のこと、あのバーサーカーは分かっているだろうと油断しきっていたからだ。 実際にバーサーカーは殺している。人間を。 だが、それは果たしてマスターか、サーヴァントか、それとも無関係な人間か。 少なくとも英治の望んだ通りに刺青の男を殺しに向かうかは、誰も分からなかった。 「螢子……」 英治が最愛の女性を想う中、バーサーカー……ジェイソンは着実に死体を増やしていくのだった。 ◇ 殺戮者と『人喰い』が虐殺する中。 死神のキャスターとそのマスターである少女は、ただ東京に存在していた。 死神のキャスターはかつて城を集めていた。集めに集め、合計99の城を揃える事ができた。 いよいよ100番目の城を手に入れようとした矢先に、彼は死んだ。 尤も、その時。 死神のキャスターには城を入手する必要などなくなってしまったのだが。 あの城は……嗚呼、確かに素晴らしかった。 もう必要なくなってしまったが――それでも素晴らしい城だった。 別に、キャスターが評価せずとも世界一の城という異名に偽り無し。 城に拘っていたキャスターは、不気味なほどあの城を調べ尽くし、あの城を欲しがった。 思い返せば返すほど、不思議なほど情熱的で、馬鹿馬鹿しいほど自棄になっていた。 だが、全てを手に入れてしまったら――…… 何もない。 情熱も、執着も、目標も、何も――まさに虚無だけが広がっている。 所詮、こんなものか。 そうキャスターは感じていた。 想像できないが、あの城を手にした瞬間。 達成感に浸った自分は、きっと今の自分と同じになっていただろう。 結局、自分の行く先は収束されているのだ。 その過程が違っただけだ。 けれども。 否、だからこそだろうか。 殺戮だけを目的にしている死神のキャスターは皮肉にも巡り会った。 光であるからこそ、闇に出会った。 光があるから、闇もあるのだ。 自らのマスター。一人の少女。 あやめと言う名の彼女に対し、キャスターは不敵に笑う。 「俺はな……お前と出会えて良かった。そう思ってるんだよ……これは嘘じゃない」 決して感動的なセリフではないことくらい、少女のあやめにも理解できた。 「お前のような……俺の世界を闇に染めるような……不純物が蔓延っているなんてな。知らなかった。 知らないで放っておいたら………どうなるかくらい、お前にも分かるよな……?」 お前は殺す。 お前は必ず抹消する。 光の魔法使いの名のもとに、死神ヨマの名のもとに。 少女は震え続けた。 少女は怯え続けた。 あらゆる殺意に恐怖をした。 そんな彼女に救いの手は差し伸べられない。 ◇ 屍鬼 死後に超人的な力を得て蘇生した[削除済み]と酷似した性質を持つ人間です。 驚異的な治癒能力、不老、夜目が利き、人間に暗示をし命令させることが可能です。 しかしながら、日中は強制的な眠魔に襲われ、霊的な場所を非常に恐れ、 他人の管理する建造物へは無断に侵入できないなど、弱点が多く存在します。 ◆ 東京都を恐怖の渦に巻き込んだ件の殺人鬼。 バーサーカー・SCP-076-2。 否。もはや記号の羅列は、ここでは無意味だろう。 その男――アベルは、サーヴァントたちを待ちかまえていた。 しかし、未だ舞台に登場を果たせていないのか。 様子見を続けているのか。 サーヴァントたちはアベルの前に現れる事は無い。 仕方なく、アベルは霊体化をし、異変を待ち構えていた。 が――それからどれほど経った頃か、アベルの勘が燃え盛る様に反応する。 途端に憤りを抱く。 最初はその感覚を理解できなかったが、答えに行きついた瞬間。アベルは殺戮を始めていた。 その殺戮は、相手すら選ばぬ虐殺であった。 紛れもなく『居る』。奴がここへ『来た』。 つい先ほどまで、そのような気配はなかった。 故に、サーヴァントとして召喚されたのは間違いようがない。 英霊が集う聖杯戦争に似つかわしくない、アベルの憎悪する、もしかしたらアベルを狂わせただろう元凶がいる。 不愉快だった。 不愉快で堪らない。 そして、ノイズのような不愉快な感覚は未だに続いている。 それなりに賑やかであった場所は、一瞬にして血色に染め上げられていた。 アベルには些細な光景だった。 最早、興味すら湧かない。既に過ぎた事象でしかない。 「バーサーカー?」 少女がそこにいた。 彼女は可憐な存在だった。小学生を過ぎ、中学生でもおかしくない年頃。 なのに、血の大地に立ち、平然と地獄に存在している。 少女――桐敷沙子が言葉を続けた。 「貴方『も』バーサーカーなの?」 アベルは虚空からブレードを出現させ、戦闘態勢を形作っていた。 沙子は言う。 「わたし――貴方の事、知ってるわ。『ここ』じゃ有名人よね?」 アベルは沙子の言葉など、耳にしていない。 彼が捉えていたのは、沙子を飛び越えこちらへ攻撃を仕掛ける『化物』ただ一つ。 それもまた、アベルと同様『狂戦士』であり、英霊とは思えない、人間の成れの果て。 漆黒の衣を纏った『梟』が、肉体から剥き出しになった凶器を構えていた。 次に行われた戦闘は、普通の目では追えないほど刹那。 固い、金属同士がぶつかり合ったような高音に遅れて、血が舞う。 双方無傷ではない。 わずかに手傷が多いのはアベルの方だろう。 『梟』の方は傷ついていながらも痛みも感じず、平然としていた。 だが、速さはアベルの方が上回った。 『梟』が攻撃を終え、ほんの少しばかりの隙が生じたのを逃さず、アベルは蹴り飛ばす。 多少、飛ばされたが『梟』は地面を擦りながら着地を遂げていた。 アベルも『梟』も、再び牙をむき出してもおかしくはない空気だった。 相手が相手。 普段のアベルならば歓喜し、全力で殺しにかかろうと殺意の重圧をかけるはずだ。 ――不愉快だった。 このような闘争の中でも、不愉快なノイズがアベルに纏わりついている。 あの忌々しい■■■がいる故に、素晴らしい闘争も全て代無しに変貌した。 不愉快を堪えながら、アベルは言葉を発した。 恐らく、アベルが召喚されてから初めてであろう言葉を。 「残念だが――君とはまだ戦わない。今の私と闘争しない方がいい」 言葉の意味を、沙子と『梟』は理解できなかった。 アベルはとにかく、機嫌の悪い状況で闘争をする気力が一片も無いだけだった。 信じがたいことに、アベルは踵を返してしまう。 人間には彼に共感することすら困難を極める。何故、そのように戦意を抑えるのかも分からない。 『梟』は首を傾げながら、肉体から生えた『赫子』に付着付いた血を舐める。 ――――衝撃が走った。 「どうしたの?」 沙子は異変に気づく。 『梟』がいつものように「おいしい」と呟かないのだ。呪文のような感想を吐きだす事は無い。 所謂、喰ったことのない味。 味わった事もないもの。 ヒトの肉体をしていながら、全てが異なる。 『梟』は瞬時にソレだけを判断した。 大股で歩み去ろうとするアベルに『梟』は先回りし、立ちふさぐ。 アベルは眉をひそめた。 「君に告げた言葉を違えるつもりはないが」 「通行料。片腕一本」 『梟』は喋る。 アベルが立ち去ろうものなら、殺すか。それを許して欲しければ、肉を喰わせろと。 相手が無言なので『梟』はさらに続けた。 「それとも片足? 『ジャム』の方がお安いよ」 睨み合う狂戦士たち。 沙子が遠くから鳴り響くサイレンに寒気が走った。 どうやら何者かが警察に通報したらしい。間もなくここには警官たちが犇めくのだ。 不安を抱いた沙子は「バーサーカー」と『梟』を呼び、彼の傍に駆け寄る。 『梟』はそれを一瞥した。 終始沈黙を保っていたアベルがブレードを構える。 それは『梟』と少女を斬る為でも、自らの腕を斬り落とす為でもなかった。 アベルは問いかけた。 「君はどうする?」 意表をつかれた表情を浮かべてから『梟』は答える。 「腹減ったな」 軍隊でも登場したかのような喧しい足音、鳴り響く装備の音、人々の声は全て筒抜け。 沙子は恐ろしく感じたが、狂戦士たちには歓喜の音色であった。 警官、ニュースで報道されていた特殊部隊と思しき者たち。刑事らしい男が大声を出す。 大人しく投降しろ。お前は包囲されている。武器を捨てろ。 それのどれかだったか、全てだったか、あるいは違う内容だっただろうか? もはや誰の記憶にも刻まれていない。 ただ―――狂戦士たちにとって、彼の声が合図だった。 ここで起きた出来事は、百項では到底収まりきれない。 『梟』が草花を摘むように人間の部位をもぎ取るならば、アベルは舞い踊るついでに人間の命を奪い取っていた。 『梟』は気まぐれに頭の『ジャム』を啜る一方、アベルは気まぐれに泣きひれ伏す人間は殺さずに無視した。 『梟』が前進するたび道路を血色に染め上げると、アベルは建造物を破壊し殺戮に通じる結果を残していく。 アベルが全ての人間を殺すとは限らなかった。 彼から生き延びた人間は、まるで救われたかのような安堵の表情を浮かべる。 感謝のような感情を抱いて涙を流し続ける。 『梟』はそれらを全てを殺しつくした。 手から爪まで、足から胴まで、舌から脳髄にかけて。しかしそれでいて、贅沢貴族のように全部は食べない。 喰って、飽きたら別の人間に手をかけて、飽きたら食欲を失せ、別の人間に手をかける。 邪魔する者は皆殺された。 アベルが意図せずとも空振ったつもりの刃が、反逆しようとした暴徒の胴体を切り裂く。 彼に衝突しようとした車両は、アベルが背を向けたまま一振りすると真っ二つに割れ、ビルに飛び込み、炎上した。 「人殺し!」と罵倒した者は、アベルが駆けるついでに蹴り飛ばされ、首の骨が折れ、沈黙する。 一方、早く逃げるべきだと声かけた善良な人間の首をはねる『梟』。 助けてと救いを求める人間を知らぬフリし、泣き喚く人間など五月蠅いから首をもいだ。 動けずに恐怖で震える人間は邪魔なのでアスファルトに顔面を叩きつけ、殺す。 全てを圧倒していた。 誰も二人に成す術などなく、彼らによって全てが支配されていた。 それはとても簡単な話で、暴力と残虐な悪徳と恐怖によって賄っているだけである。 悪そのもの。 反秩序的で反社会的な闇の世界。 嗚呼、素晴らしいと沙子は感動する。同時に安堵する。同時に恐怖も覚えた。 複雑な感情を抱く沙子。 何故なら、彼女は命を奪う存在、人喰いでありながら酷く、ちっぽけなほど恐ろしく弱かったからだ。 そして哀れな程、寂しがり屋だった。 そんな沙子が暴食そのものの怪物と出会い、殺戮の王と巡りあった。 もはや奇跡である。 最弱の化物が、よくぞここまで辿りついたと褒め称えるべきだ。 きっと『ここ』は、彼らに降伏する為だけに用意された場所なのだ――― ◆ [編集済み]に関する会話ログ 付記:聖杯戦争本選開始■時間前、東京都■■区[削除済み]にてSCP-076-2とオウルが交戦。 その際、SCP-076-2が戦線離脱を図ろうとし、行われたもの。 <記録開始> 少女:待って。どこに行くつもり? 誰かを探しているの? [無音] 梟:無意味な話でもしようぜ。 SCP-076-2:何の。 梟:存在価値。 SCP-076-2:問答するには、まだ早い。 梟:お前さんは必要か? いらない奴。みんな怖がってる。いなくなればいいのに。消えばいいのに。 賞味期限切れの食品を好きで喰う奴はいない。みんな仕方がないから喰ってる。 SCP-076-2:必要ないものなら教えても構わない。 梟:お前か。 SCP-076-2:私は君と果たし合わなければならない。 梟:俺か。 SCP-076-2:だから、君はここに居るべきだ。 SCP-076-2:葬るべきは、戦士らの闘争に相応しくない――あの忌々しい■■とそれを呼び寄せた奴だ。 <記録終了> 報告終了書:その後、SCP-076-2はオウルとの戦闘を中止し、SCP-073を捜索開始した。 オウルは少女(本名:[編集済み])と共に[削除済み] 少なくとも聖杯戦争本選開始まで交戦しなかったものと推測される。 ◆ ―――通達を開始します。 聖杯戦争に参加されているサーヴァントの皆さま方、こんばんは。 まずは僕に自己紹介をさせて下さい。 僕はこの聖杯戦争を主催する国家に所属する者。 名を先導アイチと申します。 どうぞ、よろしくお願いします。 ところで…… もうお気づきになられているでしょうが……この通達は、サーヴァントの皆さま方にしか行われません。 何故? 些細な疑問ですね。 皆さま方も、気付いていらっしゃるでしょう。 この聖杯戦争ではマスターに聖杯戦争の知識は与えられません。 よって、全ての情報はサーヴァントに委ねられるのです。 ……令呪の存在をあえて伏せている、そのような方もいるでしょう。 ええ。勿論。 一向にそれは構いません。 何故なら、この聖杯戦争には秩序となる『裁定者』など存在しないのですから。 全てはサーヴァントの皆さま方の思うがまま。 ここにいるただの人間も、殺すなり、喰うなり、お好きにどうぞ。 むしろ、その為に用意したのですから存分にお楽しみください。 マスターの枷など気にせず、サーヴァントの皆さま方に快適な聖杯戦争を提供するため。 我々からのささやかな心使いとして受け止めて下さい。 嗚呼。話が逸れてしまいました。 では改めて―――…… 本日、深夜零時をもって予選期間が終了しました。よって、これより聖杯戦争本選が開始されます。 現時点で召喚されたサーヴァントは22騎となっております。 そして、明日より毎日正午12時に定時通達を行います。 通達は念話で行いますが、多数同時に行う為、途切れやすいものです。集中してお聞きいただくようお願いします。 もう一度お伝えしますが、この聖杯戦争において『裁定者』は存在しません。 ですので、原則。禁則事項となる行為はないと思っていただいて構いません。 しいて言うならば、この『東京』から抜け出そうとした場合、こちら側で『処理』させていただく程度でしょうか。 ……ありえない行為ですが、念のため報告します。 通達は以上です。 明日の正午。生きていたのならば、また――― ◆ 「ところで――聖杯とは何なのだ?」 基本的な、至極常識的な質問が投げかけられた。 聖杯戦争。 文字通りならば、聖杯による戦争。聖杯に関する戦争。聖杯を中心とした戦争。 解釈は様々ではあるが、この疑問を口にした少女・神原駿河は言う。 「聖書などに登場する聖杯という意味で合っているのだろうか……とはいえ、私も聖書はあまり目を通さないものだ。 それに関する戦争とならば、私も理解が追いつかないのだ。尚更、私が巻き込まれる理由がないのだが……」 対して、彼女のサーヴァント・アヴェンジャーは素っ気なく答えた。 「『聖杯』などという単語に意味は無い」 「そうなのか? ならば何故、聖杯戦争と呼ばれているのだろう……」 「これが聖戦の類だというなら、向こうで暴れているサーヴァントは召喚されない。そしてこの俺もだ」 「確かに。あの殺人鬼は暴力の擬人化というか、そのような存在だった。 私も深く語れるほどではないが、この戦争が聖戦などと大それた儀式とは思えない」 儀式。 という単語を口にした駿河。アヴェンジャーは心では、その通りだろうと思っている。 魔術師にとっては儀式のようなものに近い。 願望機の為、生贄を捧げる。他のマスターとサーヴァントに死を与える。 そして、神原駿河は続けた。 「ただ、アヴェンジャー。少なくとも、私はアヴェンジャーとあの殺人鬼が同類ではないことは分かる」 「………」 「アヴェンジャーは初対面の私に高度なデレテクニックを披露したのだ。それに、あの殺人鬼のように 私を殺さず、ちゃんと戦争のことも教えてくれただけで十分過ぎるではないか」 「疑う余地は無いと?」 「むしろ、現段階で疑う要素がどこにあるのだ」 嘘はついていない。 確かにアヴェンジャーは嘘を口にはしていないが、聖杯という願望機や令呪の存在を駿河には伝えていない。 彼女が疑わないと豪語するのをあざ笑うかのような事実が、そこにはあった。 それでも神原駿河は、表情一つ変えずそう言ってのけた。 「私はアヴェンジャーの味方だ。だから、私の味方になって欲しい」 「―――お前は……」 こんな小娘を追い詰める言葉など幾らでもあった。 しかし、アヴェンジャーは――今は唯、彼女に呆れていた。 「勝手にやっていろ」 ※ ―――緊急通達。緊急通達。 サーヴァントの皆さま方、先導アイチです。 非常に申し訳ありませんが、早急にお伝えしなくてはならない事態が発生しました。 どうか、耳を傾けて下さい。 本選開始に伴い、マスター候補の記憶封印プログラムを発動しました。 しかしながらイレギュラー案件が発生し『アヴェンジャー』のサーヴァントが召喚されました。 このイレギュラーの原因は現在究明中です。 『我々』も解析不足の存在です。十分お気をつけて下さい。 それでは良き聖杯戦争を……… ※ 時系列順 Back 遠野英治&バーサーカー Next Vorspeise-前菜 投下順 Back 遠野英治&バーサーカー Next ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ ←Back Character name Next→ OP2 ある正義の味方の話 來野巽 007 交錯 セイバー(ジークフリート) 001 末弟&悪魔の妹 松野トド松 006 虚構反秩序都市 東京 セイバー(フランドール・スカーレット) 002 アイリス=トンプソン&セイバー アイリス=トンプソン 009 この異常が日常の街で セイバー(ミリオンズ・ナイブズ) OP4 ある御伽話 今剣 004 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ アーチャー(那須与一) 003 O5-12&アーチャー アダム 009 この異常が日常の街で アーチャー(ロボひろし) 004 織田信長&アーチャー ホット・パンツ 006 虚構反秩序都市 東京 ランサー(アクア) OP3 ある兄妹、もしくは姉弟の話 ホット・パンツ 004 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない ランサー(アクア) 005 カナエ=フォン・ロゼヴァルト&ランサー カナエ=フォン・ロゼヴァルト 002 Vorspeise-前菜 ランサー(ヴラド三世) 006 ジーク&ランサー ジーク 007 交錯 ランサー(ブリュンヒルデ) OP2 ある正義の味方の話 平坂黄泉 004 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない ライダー(SCP-053) 007 安藤潤也&ライダー 安藤潤也 004 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない ライダー(ジャイロ・ツェペリ) OP3 ある兄妹、もしくは姉弟の話 先導エミ 006 虚構反秩序都市 東京 キャスター(ブルーベル) 008 ブライト博士&キャスター ジャック・ブライト 010 妖怪桜が咲く頃に -春萌し編- キャスター(西行寺幽々子) 009 missing あやめ 003 Find Me / Don`t Find Me キャスター(ヨマ) OP1 ある兄弟の話 安藤 004 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない アサシン(SCP-073) 010 松野カラ松&アサシン 松野カラ松 003 Find Me / Don`t Find Me アサシン(宮本明) 011 二宮飛鳥&アサシン 二宮飛鳥 005 少女趣味不十分 アサシン(零崎曲識) 012 メアリー&アサシン メアリー 001 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ アサシン(アイザック・フォスター) OP1 ある兄弟の話 ルーシー・スティール 006 虚構反秩序都市 東京 バーサーカー(SCP-076-2) 001 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ 013 汝は竜なり、罪在りき 馳尾勇路 006 虚構反秩序都市 東京 バーサーカー(ヴラド三世) 014 桐敷沙子&バーサーカー 桐敷沙子 001 ヒトクイロマンチスト~イカれ者たちの子唄~ バーサーカー(オウル) 015 遠野英治&バーサーカー 遠野英治 004 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない バーサーカー(ジェイソン・ボーヒーズ) OP5 ある規格外の話 神原駿河 004 あの日死んだ生贄の名前を僕達はまだ知らない アヴェンジャー(うちはマダラ) OP4 ある御伽話 先導アイチ 025 生と死を別つ境界の東京
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ハジメニ このHPは今年から大学進学し見知らぬ土地で一人暮らしを始めた管理人が、自宅周辺を、しいては東京そのものを理解する一助になるよう作られるHPである。 アラスジ 岐阜人である田舎者の私にとって東京という響きは脅威であった。決して踏み入れてはならない土地、東京。 しかしそう堅く心に決めていた私に転機が訪れた。 数々の想定外の要因が重なり2006年3月、なんと東京の大学に進学することが決定してしまったのだ・・・ そんな私の東京のイメージ 『怖い』『やばい』『刺される』・・・ 『冷たい』『にらまれる』『シカトされる』・・・ 『物価高い』『酸素薄い』『自然がない』・・・ 『毎日変な請求が来る』『借金取りがやってくる』『新聞勧誘がヤクザ』・・・ もう最悪な都市であった。 そうは思っても、ここに大学がある限り暮らさざるを得ない。 まずは東京を、いや自宅周辺を理解することから始めよう。
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神々が恋した幻想郷/The Gensokyo The Gods Loved 神々が恋した幻想郷/The Gensokyo The Gods Loved 伝説の土地 (T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。あなたが神をコントロールしている場合、代わりにあなたのマナ・プールに好きな色のマナ1点を加える。 参考 風神録-レア
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動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
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星屑のカシオペアのページにCassiopeia_of the_Stars+.pngアップロードしております。ページの編集をよろしくお願いします。リーダースキルは『敵の魔界属性カードのAPを2000,HPを1000減少させる』です。 - 名無しさん 2014-02-12 10 23 00 編集致しました。情報・画像提供助かります - devilmakertokyo 2014-02-12 11 07 39 ☆5uniqueのオリアスの画像(Orias.png)とサムネ画像(Orias_★.jpg)をアップロードしました。SWITCH ITEMは『大天使の杖(スキル発動確率が1%増加する)』です。サムネはデータベース→ランク別→『★』のページにアップロードしました。 - 名無しさん 2014-02-13 16 57 24 ページ編集の方よろしくお願いします。 - 名無しさん 2014-02-13 16 57 49 追加しました - nanashi 2014-02-13 23 22 12 追加ありがとうございました! - 名無しさん 2014-02-15 18 35 41 カードの最高レベルとユーザーの最高レベルぐらい書くべきだと思う、99だと思ってる人がいる気がする - 名無しさん 2014-03-22 00 08 40 必要ないのでは。カードの最高レベルはwikiのカード情報や他のユーザーのカードを見れば40までだと分かりますし、ユーザーレベルは上位勢見ても現在60までと分かりますよね?それに、ここはあくまで「情報提供・編集依頼用」なので、ここに書くべきではないと思いますが。「書くべき」だと思うならご自分で追加編集されては? - 名無しさん 2014-03-22 08 44 50 え、なに言ってるの? まず誰もがわかりやすく常識的な事を書くのは当たり前ですよ、だったら進化方法アイテム装備方法も公式見れば解るよねってなる上にこの二つは公式発表なの。次にページを作れという訳じゃなく良くある質問とかに書き込んでおくべきだと思ったって言う話 - 名無しさん 2014-03-22 17 11 20 と言うか…言い出したら書かなくて良いものなんて山のようにあるよ。 - 名無しさん 2014-03-22 17 13 53 まず、なんで自分で編集しないの?人にどうこう言ったりする前にwikiなんだから、書くべきだと思うなら自分で編集すればいい話じゃないの?よくある質問なら編集しやすいんだから。あと上の人はページを作れとは言ってないし、ここは編集依頼や情報提供用としてるんだから要望や議論はwiki運営板でしようね。文面見る限りじゃ編集依頼には見えないよ。 - 名無しさん 2014-03-22 20 40 25 携帯ですからね、編集は面倒なのですよ、というか貴方がそう思うならそっちに書いておいてくれればいいじゃないですか、ここで態々口論する意味ありませんよ - 名無しさん 2014-03-23 23 45 41 口論の原因は紛れもなく貴方の上から目線かつ他力本願な発言からじゃ… - 名無しさん 2014-03-24 13 59 41 編集方法わからないので情報提供します - 名無しさん 2014-04-17 23 11 13 ↑シヴァ☆5レア度☆ステータスAP8910 DP635 HP37613 HPはオプション付きレベル40です ユニークスキルは斬鬼刀 オプションHP50%増加 HP25%増加 天界からダメージを受けたとき 受けた場合のダメージの30%をカウンター 自分のHP50%以下の場合 受けたダメージから10%カウンター レベル1のステータスは覚えてないです - 名無しさん 2014-04-17 23 15 31 間違いだったごめんなさい。イブリースのイラストレーターはSilaさんだったと思うんだけれども、PiKAさんとなっているのは、これは運営のミス? - 名無しさん 2014-06-07 18 54 11 Silaさん本人が支部にイブリースのイラストを上げているし(リンク先画像、10ページ目)。 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=37493138 - 名無しさん 2014-06-07 18 55 28 あと、マンモンのイラストレーターもPiKAさんではなくGUAさんです http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=42415295 - 名無しさん 2014-06-07 19 03 18 wiki内の表記とゲーム内での表記が同じ事から、ゲーム運営側のミスでしょうね。現在でもゲーム内においてイブリース・マンモン共にPiKAさんとなっています。 - 名無しさん 2014-06-08 18 58 09 悪魔召喚の「フィーバーは召喚チケでも有効」今は違うので訂正希望します。 - 名無しさん 2014-06-18 13 14 51 編集しました - 名無しさん 2014-06-20 10 49 49
https://w.atwiki.jp/pmctokyo/pages/7.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。